• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

出移民史を通じた次世代育成のための地域密着型パブリック・ヒストリーの構築

研究課題

研究課題/領域番号 21H03712
配分区分補助金
研究機関京都外国語大学

研究代表者

河上 幸子  京都外国語大学, 国際貢献学部, 教授 (30586730)

研究分担者 河原 典史  立命館大学, 文学部, 教授 (60278489)
和泉 真澄  同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (00329955)
KIRK STANLEY  甲南大学, 全学共通教育センター, 准教授 (50516979)
松田 法子  京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (00621749)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード出移民史 / パブリック・ヒストリー / 次世代育成 / カナダ移民 / 和歌山 / 三尾 / アメリカ村 / 移民母村
研究実績の概要

本年度は、和歌山県日高郡美浜町三尾地区のカナダ・ミュージアムを拠点におこなってきた二つの国際共同研究「フロム・ミオ・プロジェクト」と「Past Wrongs Future Choices/過去の過ち 未来の選択(通称PWFC)」の日本側チームとして本科研プロジェクトを精力的に進めることができた。具体的には、①展示および市民への発信、②調査、③学会発表である。
①展示および市民への発信:PWFCの前身にあたる共同研究「Landscapes of Injustice」の成果として手掛けられた「Broken Promises/破られた約束」という日系カナダ人の戦時没収をテーマとしたミュージアム展示を、本科研が窓口となってカナダへの出移民がもっとも多い滋賀県から日本巡回展示をスタートできた。11月1日から2024年2月25日の滋賀県平和祈念館での展示期間中は、市民教養講座で登壇する機会をいただき和泉、河原、河上が月がわりで交代しながら登壇し、研究実践について市民に発信ができたほか、滋賀と和歌山の移民母村交流会を郷土史家や市民を交えて実施することができた。さらに、2月下旬には、「フロム・ミオ・プロジェクト」のカナダ側の代表者がおこなった三尾出身の日系市民対象のスティーブストンでのシンポジウムに河上とカークが出席し、発表した。
②調査および研究会議:和泉、河原、カーク、河上はそれぞれ、バンクーバー島やバンクーバーで調査を進めたほか、松田は三尾での「移民を出した家」に関する調査をさらにおこなった。10月には和歌山県人会世界大会の実施にあわせて三尾にて集まり、「フロム・ミオ・プロジェクト」の一部カナダ側メンバーと打ち合わせを行った。
③:9月にはカナダ学会にて、河上、河原、和泉がカナダ・ミュージアム館長の三尾氏とともにパブリックヒストリーとして実践される日系カナダ人研究について発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2024年5月のシンポジウム実施に向けて順調に研究実践を展開することができた。戦時中の日系人の自主移動地グランドフォークスの調査についても、カナダ側現地関係者との合意形成ができ、正式に出版に向けた共同調査や内容の精査が具体化した。また、次世代育成事業という観点では、調査結果を大学生や大学院生と共有し、地域の教育や研究発信への活用することで、後進の育成にもつなげることができた。また、移民母村の三尾と移民先のカナダというベクトルのみならず、滋賀県や沖縄県の他県の移民母村との交流が生まれ、移民母村同士のネットワークを広げることもできたことは今後に向けての大きな足掛かりとなった。

今後の研究の推進方策

今後は2024年5月に三尾にて国際シンポジウムを実施した後、最終年度に向けて成果報告の形を決めて、日英両語での出版計画を練っていくとともに、移民母村同士の横のつながりから展望できる新たな研究の可能性について検討したい。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 5件) 図書 (3件) 備考 (4件)

  • [国際共同研究] University of Victoria/North Island College(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      University of Victoria/North Island College
  • [雑誌論文] [書評]佐藤正弥・梅津恒夫・舩坂朗子著『カナダ移民のパイオニア 佐藤惣右衛門物語』2023

    • 著者名/発表者名
      河原典史
    • 雑誌名

      カナダ研究年報

      巻: 43 ページ: 64-68

    • 査読あり
  • [学会発表] 135 years from Mio to Canada2024

    • 著者名/発表者名
      Sachiko Kawakami
    • 学会等名
      From Mio Symposium
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Japanese Canadians Exiled in Wakayama: Stories of Tak Matsuba and Basil Izumi2024

    • 著者名/発表者名
      Stan Kirk
    • 学会等名
      From Mio Symposium
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] パブリック・ヒストリーとは何か:地域に活きるアカデミズム2023

    • 著者名/発表者名
      河上幸子
    • 学会等名
      カナダ学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 『グランドフオークス在留日本人記念寫眞帖』から読み解く日本人移民の強制移動2023

    • 著者名/発表者名
      河原典史
    • 学会等名
      カナダ学会
    • 招待講演
  • [学会発表] カナダにおける日系史研究共同プロジェクトとの連携について2023

    • 著者名/発表者名
      和泉真澄
    • 学会等名
      カナダ学会
    • 招待講演
  • [図書] <翻訳>ノブコ・ミヤモト著『ノブコ・ミヤモト自伝ー旅と愛と革命を歌う日系アーティスト』 (担当:単訳)2023

    • 著者名/発表者名
      和泉真澄
    • 総ページ数
      456
    • 出版者
      小鳥遊書房
    • ISBN
      9784867800300
  • [図書] 『戦後空間史 ──都市・建築・人間』2023

    • 著者名/発表者名
      青井哲人、市川紘司、内田祥士、中島直人、中谷礼仁、日埜直彦、松田法子
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      筑摩書房
    • ISBN
      9784480017697
  • [図書] 『領海・漁業・外交-19~20世紀の海洋への新視点-』2023

    • 著者名/発表者名
      太田 出、川島 真、河原 典史ほか
    • 総ページ数
      414
    • 出版者
      晃洋書房
    • ISBN
      9784771037410
  • [備考] From Mio

    • URL

      https://frommio.net/about/japanese/

  • [備考] Broken Promises

    • URL

      https://brokenpromisesjapan.com/

  • [備考] 『破られた約束』― 日系カナダ人史に関する日本巡回展示が産んだ旧移民村同士の交流 ― その1

    • URL

      https://discovernikkei.org/ja/journal/2024/3/12/broken-promises-1/

  • [備考] 『破られた約束』ー 日系カナダ人史に関する日本巡回展示が産んだ旧移民村同士の交流 ーその2

    • URL

      https://discovernikkei.org/ja/journal/2024/3/13/broken-promises-2/

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi