研究課題/領域番号 |
21H03720
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
岩崎 邦彦 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (40315213)
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研究分担者 |
石田 祐 宮城大学, 事業構想学群, 教授 (20455554)
藤澤 由和 宮城大学, 事業構想学群, 教授 (70387330)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | インバウンド / おもてなし / 観光 |
研究実績の概要 |
本研究は、これまで検討を進めてきた「おもてなし」という考えが、ポストコロナ禍においても、観光客のニーズを高め、より持続的な地域振興に繋がるということを明らかにすることを最終的な到達点とする。その中で、「おもてなし」を「他者を『受容』し『理解』する姿勢」に関わる意識およびその行動上の特徴と再定義し、海外における日本への観光意向を有する潜在的なインバウンド観光客を対象とした実証的なデータ構築を行い、この「おもてなし」という考えが、我が国へのインバウンド観光へのニーズを高めるものであるかに関する検証を行うことを目的とするものである。 そこでまずは、これまで実施してきた先行調査におけるデータの検討を行い、アンケート調査による定量的なデータ構築を実施してきた。こうしたデータおよび他の先行する調査データの入念な検証の結果、国ごとに「おもてなし」という構成概念が異なることが明確となった。したがって、国ごとのもとめられる「おもてなし」の違いに基いて、適切な形で訪日外国人に対するサービスを提供するためには、当該サービスの文脈やそこで行われるオペレーションも含めたより幅広いデータが必要であり、そこでこうしたデータの構築を行うために、定量的手法でのデータ構築を行い、本研究の知見を発展させることとした。その具体的な内容としては、観光研究の質的研究で用いられてきているSNS等における「口コミ記述」を対象としたテキスト分析を行うこととした。 より具体的には、口コミを投稿した経験のある調査対象者に対して、宿泊体験をインタビューし、その内容を旅行体験全体とした際に、その人が口コミとして書き込んだ情報を収集する。分析は、旅行体験全体の意味空間に対して、口コミ情報がどこに位置しているのかを可視化し、口コミ情報の局所性を実証的に検討することとする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究においては、令和3年度は、当該研究課題に関わる調査実施に向けての準備を想定していたところであるが、COVID-19の流行が沈静化を見せない状況においては、研究計画の内容を一定程度変更せざるを得ない状況にあった。そこで、予定していた調査におけるデータ構築作業が難しくなる可能性を鑑み、さらに当初の研究計画上の内容を拡充することを意図して、分析用の定性的データ構築を令和3年度に一部前倒しして実施したところであるが、令和4年度において実施する当該データの補完的作業と検討に関する調整を行い、令和4年度には当該データの構築を完了させる作業を行った。併せて本研究の内容を発展させるためのデータ構築に関しての検討を行うとともに、そのための具体的な準備作業を行った。
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今後の研究の推進方策 |
本研究においては、内容を発展させるためのデータ構築に関しての準備が完了し、具体的なデータ構築作業を成し得る状態にあった。そこですみやかに当該データの構築作業を完了し、他のデータ群とともに、その解析と検討を進め、研究の取りまとめを行うこととする。
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