研究課題/領域番号 |
22H00598
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井上 彰 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80535097)
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研究分担者 |
秦 正樹 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (10792567)
若松 良樹 学習院大学, 法務研究科, 教授 (20212318)
清水 和巳 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (20308133)
坂本 治也 関西大学, 法学部, 教授 (30420657)
善教 将大 関西学院大学, 法学部, 教授 (50625085)
宇田川 大輔 阪南大学, 経済学部, 准教授 (60434221)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 実験政治哲学 / 実証分析 / 正義論 |
研究実績の概要 |
本研究は、配分原理に即した制度や政策の担い手に着目して、原理の一般的受容性が担い手の変化によってどのように変化するのかを実験によって明らかにすることを目的とするものである。より具体的には、人びとの原理に対する評価が具体的な制度や政策の施行条件にどこまで左右されるのかを明らかにし、原理の一般的受容性の複合性とバイアスに還元しえない規範的要素を明らかにする研究である。 2022年度は、次年度以降、上記研究プロジェクトを効率的かつ効果的に進めるために、政治哲学や倫理学、統計的因果推論等にかんする最新の先行研究の整理・検討を中心に研究をおこなった。その成果は、研究代表者である井上彰の政治哲学・倫理学(主に配分原理についての理論研究)にかんする国際誌掲載のいくつかの論文として、研究分担者についても政治学・経済学における統計・実証分析にかんする複数の論文として結実している。 そうした先行研究の整理・検討を経て、実験設計にかんする打ち合わせを断続的におこなうなどしたが、物価高騰の余波を受けて、当初見込み額の500,000円では、十分な被験者サンプルを確保する仕方でのサーベイ実験のプリテストをおこなうことができなかった。そこで2023年度に相当額を繰り越したものの、2023年度はさらに円安が進み物価高騰がとどまるところを知らない状況にあったため、2023年度の当初予算でおこなう実験に組み入れるかたちで、サーベイ実験を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は、サーベイ実験のプリテストをおこなえなかったものの、先行研究の整理・検討により、政治哲学・統計分析・実証分析で多くの研究成果を挙げることができたことから、概ね順調であると評価しうる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では、サーベイ実験を中心、対照実験を含めたさらなる追加実験や、それら実験結果について学会・ワークショップ等で報告し、最終的に複数の論文を国際学術誌にて発表することを目指す。 そのためにも引き続き、実験デザインにかんする打ち合わせを適宜おこなう。具体的には、受容選好班(若松良樹・清水和巳・宇田川大輔)と「受容過程班(坂本治也・善教将大・秦正樹)」に分かれて、必要に応じて複数回ミーティングをおこなう。なお、研究代表者であり、両班の総括係である井上彰は、両方の班が執りおこなうミーティングに参加する。 もし上記の進め方ではうまくいかなかった際には、共同研究者が一堂に会して、それぞれの実験の構想について批判的に検討する機会を設ける予定である。
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