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2022 年度 実績報告書

「近世随筆」の領域横断的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22H00638
配分区分補助金
研究機関九州大学

研究代表者

川平 敏文  九州大学, 人文科学研究院, 教授 (60336972)

研究分担者 合山 林太郎  慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (00551946)
高山 大毅  東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00727539)
山本 嘉孝  国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (40783626)
天野 聡一  九州産業大学, 国際文化学部, 准教授 (50596418)
岩崎 義則  九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (60294849)
吉田 宰  尾道市立大学, 芸術文化学部, 講師 (70878230)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード室鳩巣 / 木村蒹葭堂 / 林羅山 / 岡西惟中
研究実績の概要

ア.研究会  第1回は、6月26日に福岡(JR博多シティ会議室)にて、対面で開催した。今回はキックオフ・ミーティングとして、本研究会の目的と方法、および今後のスケジュールを確認した。その後、本研究の前提として共有しておきたい論考3篇についての意見交換、および各自の研究予定について発表した。第2回は1月29日に、東京(東京大学駒場キャンパス)にて開催した。発表者は代表者の川平が「近世随筆という視角 ―室鳩巣を例に―」、分担者の吉田宰氏が「木村蒹葭堂と「随筆」 ―雑記類を中心に―」、ゲストスピーカーの陳可冉氏(四川外国語大学)が「林家の随筆とその周辺」という題で、研究発表した。形式は対面+オンラインとし、対面8名、オンライン約50名程度が参加し、充実した質疑応答を行った。
イ.翻刻(デジタルテキスト)の作成 附:近世随筆翻刻一覧  研究期間中に、ひとり1点以上の資料翻刻を公開する予定で、各自、作業を進めている。代表者は、本年度、永田善斎の漢文随筆『膾餘雑録』の翻刻を行った。まず第一段階として、白文に句読点を付したもの。近日中に整理して、自身のWEBページ上に公開したい。また、「近世随筆翻刻一覧」を作成した。近代以降に発刊された随筆関連叢書の収録書目を一覧にしたものである。これによって、近世随筆の翻刻がどの文献に収録されているかが検索しやすくなる。あわせて、その随筆の表記(平仮名、片仮名、漢文)についても分類できるようにした。以上の作業は、大学院生を雇用して行った。
ウ.資料調査  各自、国内外の図書館・文庫などに赴いて資料調査を行った。代表者は、金沢文庫、国文学研究資料館、阿蘇神社等に赴き、主に室鳩巣関連の随筆について書誌調査を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

コロナウイルス感染症の心配もあったが、当初の計画通り、年2回の研究会、翻刻作業、資料調査を進めることができた。特に第2回研究会は対面+オンラインのハイブリッドとしし、Twitterやブログなどを駆使して事前に告知したことによって、予想以上の数の参加者を得ることができた。本研究への関心の高さがうかがえるとともに、質疑応答も有益なものが多く、今後の研究に弾みがつくものとなった。また大学院生を安定的に雇用できたことによって、翻刻作業を予定よりも早く着実に仕上げることができた。さらに資料調査においては、室鳩巣の研究の基礎となるある資料について、重要な問題提起につながる知見を得た。現在、鋭意その分析・調査を進めているところである。その意味では、当初の計画以上の進捗と言ってよいだろう。

今後の研究の推進方策

申請書に書いた計画に従い、今年度も年2回の研究会を福岡および東京で行う。形式は対面+オンラインのハイブリッド形式とし、国内外から多くの研究者に参加してもらいたい。そのための広報も怠りなく行う。発表者も、ゲストスピーカーの人選を早めに行っていきたい。その際、時代や分野のみではなく、ジェンダーバランスについても考慮しなければならない。また国際性への観点から、今後も外国人研究者に積極的に声を掛けたい。翻刻については、年度当初に各自の進捗状況を確認したい。代表者は次に、『膾餘雑録』の書き下し文作成に取り掛かる予定である。書き下しには漢文の知見が必要なので、再び大学院の助力を借りつつ進める所存である。資料調査も適宜、実施したい。代表者は引き続き、室鳩巣の随筆関連書を重点的に調査したい。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 式子葛のことなど―〈定家と式子〉拾遺2023

    • 著者名/発表者名
      天野聡一
    • 雑誌名

      国文論叢

      巻: 60 ページ: 18‐29

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 雅俗論史―近代における研究パラダイムの形成―2022

    • 著者名/発表者名
      川平敏文
    • 雑誌名

      雅俗

      巻: 21 ページ: 7‐18

  • [雑誌論文] 山岡元隣『宝蔵』箋註(十一)2022

    • 著者名/発表者名
      川平敏文
    • 雑誌名

      雅俗

      巻: 21 ページ: 178‐189

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 後藤梨春編著の出版物と書肆鶴本―『温泉名勝志』『草の蛍』『芭蕉翁行状記』を中心に―2022

    • 著者名/発表者名
      吉田宰
    • 雑誌名

      尾道市立大学日本文学論叢

      巻: 18 ページ: 23‐34

  • [雑誌論文] 「石鏡」=鏡山詠の展開―徂徠学派の定型表現―2022

    • 著者名/発表者名
      高山大毅
    • 雑誌名

      雅俗

      巻: 21 ページ: 83‐97

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中村蘭林『学山録』に見られる西洋天文学の知識―考証随筆の淵源をたどる2022

    • 著者名/発表者名
      山本嘉孝
    • 雑誌名

      日本文学

      巻: 71‐7 ページ: 36‐46

  • [雑誌論文] 植物の漢名と近世日本の漢詩―萩の花の呼称を例に―2022

    • 著者名/発表者名
      合山林太郎
    • 雑誌名

      藝文研究

      巻: 123‐1 ページ: 60‐78

  • [雑誌論文] 鴎外と明治の漢詩人たち―艶情の系譜―2022

    • 著者名/発表者名
      合山林太郎
    • 雑誌名

      三田文学

      巻: 101 ページ: 125‐128

  • [雑誌論文] 艶めく式子―〈定家と式子〉『西鶴諸国ばなし』巻三之四「紫女」小考2022

    • 著者名/発表者名
      天野聡一
    • 雑誌名

      雅俗

      巻: 21 ページ: 152‐155

    • 査読あり
  • [学会発表] 近世随筆という視角―室鳩巣を例に2023

    • 著者名/発表者名
      川平敏文
    • 学会等名
      第2回近世随筆研究会
  • [学会発表] 木村蒹葭堂と「随筆」―雑記類を中心に2023

    • 著者名/発表者名
      吉田宰
    • 学会等名
      第2回近世随筆研究会
  • [学会発表] BBrush Talk in Black and Vermilion Ink: Оbaku Zen’s Impact on Sinitic Poetry and Prose Composition in Early Modern Japan2023

    • 著者名/発表者名
      山本嘉孝
    • 学会等名
      AAS Annual Conference 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] 杉田玄白と「狂」2022

    • 著者名/発表者名
      吉田宰
    • 学会等名
      九州大学国語国文学会
  • [学会発表] 『雨月物語』序文小考2022

    • 著者名/発表者名
      天野聡一
    • 学会等名
      神戸大学文学部国語国文学会
    • 招待講演
  • [図書] 中近世西国・九州史研究2023

    • 著者名/発表者名
      中野等、岩崎義則
    • 総ページ数
      -
    • 出版者
      吉川弘文館
  • [図書] 思想史講義【明治篇Ⅰ】2022

    • 著者名/発表者名
      山口輝臣、福家崇洋、高山大毅、清水光明、奈良勝司、佐藤大悟、川尻文彦、小川原正道、真辺将之、松田宏一郎、湯川文彦、鈴木淳、谷川穣、横山尊、安田敏朗、渡辺直子、赤司友徳、辻岡建志、マーク・ウィンチェスター、草野康宏、茂木克美、石瀧豊美、内山一幸、藤本大士
    • 総ページ数
      336
    • 出版者
      筑摩書房
    • ISBN
      9784480075147

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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