研究課題/領域番号 |
22H00659
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
河内 一博 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 教授 (00530891)
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研究分担者 |
PARDESHI P.V. 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 教授 (00374984)
仲尾 周一郎 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (10750359)
古本 真 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (20796354)
宮岸 哲也 安田女子大学, 文学部, 教授 (30289269)
桐生 和幸 美作大学, 生活科学部, 教授 (30310824)
稲垣 和也 南山大学, 外国語学部, 教授 (50559648)
白井 聡子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 講師 (70372555)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 言語学 / 言語類型論 / 体言化理論 / 類別詞 / 文法的性 / 形態統語論 |
研究実績の概要 |
・論文出版・学会発表:分担者パルデシ氏と協力者柴谷氏が、体言化理論がマラーティー語の関係節と補節をどのように扱うかに関する論文を書籍の一章として出版した。柴谷氏が、体言化理論についての概論となる論文を日本歴史言語学会の学会誌に発表した。分担者稲垣氏と分担者仲尾氏が本研究から発展した名詞・代名詞に関する論文を発表した。代表者河内が、本研究に関連するシダーマ語の名詞句形成クリティックの用法についての記述を含むチャプターをThe Oxford Handbook of Ethiopian Languagesに発表した。国際学会において、分担者宮岸氏がゾゾ語と類別詞を持つ周辺言語における複数標識に関する発表を、分担者仲尾氏がバリ語のconjoint/disjointの交替についての発表を、分担者古本氏がスワヒリ語マクンドゥチ方言の準体言についての発表を行った。
・研究会・講演会の企画:パルデシ氏とともに研究会を開催した。2022年5月27日に神戸大学においてゾゾ語他についての発表、7月15日に東京大学においてネパール諸語、客家語、ウォライタ語、バリ語についての発表、10月21日にオンラインでスワヒリ語およびアラビア語についての発表、10月28日にオンラインでハマル語およびスエーデン語についての発表を行い、データに関して意見交換を行った。7月16日に研究協力者柴谷氏の講演会(Genders and classifiers in the perspective of dynamic functional typology)を慶應義塾大学三田キャンパスで開催した。
・フィールドワーク:分担者宮岸氏がスリランカで、分担者桐生氏および分担者白井氏がネパールで、分担者古本氏がタンザニアで、協力者柴谷氏がタイで、代表者河内がウガンダとエチオピアでフィールドワークを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
業績の多くが英語を使ったものであり、国際学会において学会発表があったという点で、本研究プロジェクトは高く評価できると言えると思う。 昨年度初頭の段階では、類別詞の研究に比べて、文法的性および類似した範疇の類別を伴う形式の研究が遅れていたが、飛躍的に研究が進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
文法的性および類似した範疇の類別を伴う形式は数や定性との関係が非常に複雑であり、詳細な研究を行う必要がある。さらに多くの言語の比較を通して、類別詞との類似点・相違点を分析し、その原因を探ることが重要である。 今年度も、できる限りフィールドワークによりデータを採る。本研究のメンバーの多くがフィールドワークに出かける計画がある。可能な場合はオンラインによる調査も行う。どのような文脈において体言化辞が使われるかは考慮に入れなければならないため、できるだけ談話データを収集し、分析に利用する。 また体言化理論の理論的背景に関して、言語類型論におけるその位置付けを把握するために、各自が文献を調べ、他の理論との違い等を把握する。 今年度は、5月25日と9月14日に東京大学本郷キャンパスにおいて、2回程度オンラインで研究会を開催して、メンバーが意見交換を行う。必要があれば、データ分析に関してオンラインで会議を行う。理論的問題がはっきりしたトピックについては、学会発表を行う。
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