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2023 年度 実績報告書

「100場面会話」の発展による方言語用論の基盤形成

研究課題

研究課題/領域番号 22H00664
配分区分補助金
研究機関東北大学

研究代表者

小林 隆  東北大学, 文学研究科, 名誉教授 (00161993)

研究分担者 松田 美香  別府大学, 文学部, 教授 (00300492)
櫛引 祐希子  大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10609233)
佐藤 亜実  東北文教大学, 人間科学部, 講師 (20829197) [辞退]
中西 太郎  東北大学, 文学研究科, 准教授 (30613666)
津田 智史  宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (30726443)
川崎 めぐみ  名古屋学院大学, 商学部, 准教授 (60645810)
椎名 渉子  名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (70765685)
澤村 美幸  和歌山大学, 教育学部, 准教授 (80614859)
新井 小枝子  群馬県立女子大学, 文学部, 教授 (90631789)
田附 敏尚  神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 准教授 (90645813)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード方言学 / 語用論 / 言語行動 / 地域差 / 談話資料
研究実績の概要

本年度の研究実績は次のとおりである。
①「100場面会話」の作成:この談話資料は、目的別に組織された言語行動の種類に基づき、その全体がとらえられるように設計した100個の場面を収録するものである。種々の談話展開の様相やオノマトペ、感動詞、表現法などの運用面の特徴もこれらの言語行動のバラエティの中で把握する。まず、①-1. 先行4地点の調査では、これまで進めてきた宮城(東北)、東京(関東)、大阪(近畿)、大分(九州)の4地点の作業を継続して行った。また、①-2. 新規4地点の調査の実施では、先行する4地点に加え、山形(東北)、群馬(関東)、京都(近畿)、福岡(九州)の4地点で昨年度新たに収録作業を開始したが、これも引き続き作業を進めた。収録した会話は、継続地点・新規地点ともに第1段階の文字化テキストの作成を行った。
②補完データの作成整備:「100場面会話」の談話資料を、地点別の詳細調査と、全国分布の把握の観点から補完するためのデータの整備を実施することにしているが、本年度は特に、②-2. 全国分布調資料の整備を行った。具体的には、これまで代表者が実施した全国800地点規模の通信調査データを整備した。「話し方(言語行動)の全国調査」「感動詞〈感情・感覚系、行為系〉の全国調査」の2つについてはすでにデータの整備が完了しているので、「オノマトペの全国調査」について作業を行った。
③資料の総合的分析による知見の獲得:最終的には①の談話資料に②の補完データを合わせて分析することで、日本語方言における言語運用の概略を把握するとともに、分析の観点や方法についての見通しを得ることを目指す予定である。本年度は2年目となるため、昨年度整備したデータが一定程度蓄積されており、それを使いながら、年3回の研究会を開催したり、学会発表を行ったりして分析を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究はおおむね順調に進展しているが、その理由は次のとおりである。
①「100場面会話」の作成:このプロジェクトの中核となる部分であるが、先行4地点、新規4地点とも、多少の遅れを出しながらも、順調に収録作業が進んでいる。大阪については、話者の適格性の問題から、当初の話者から別の話者に交代するという手続きを取ったが、新規の話者で収録作業を再開できている。
②補完データの作成整備:「100場面会話」の談話資料を、全国分布の把握の観点から補完するためのデータ整備として、「オノマトペの全国調査」について予定通りの作業を行うことができた。
③資料の総合的分析による知見の獲得:年3回の研究会を開催したり、学会発表を行ったりすることで、分析を進めることができている。

今後の研究の推進方策

現在までのところ、ほぼ順調に研究を進めているので、今後も基本的に当初の計画に従ってプロジェクトを継続していく予定である。
一部、「100場面会話」の作成については、会話収録にあたっての適格性の問題から話者の交代を行ったが、そのための作業の遅れは、研究期間内に解消することができる見込みである。

  • 研究成果

    (21件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (9件) (うちオープンアクセス 2件、 査読あり 1件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 4件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 感動詞「いぇーい」「うぇーい」の意味・用法2024

    • 著者名/発表者名
      田附 敏尚・枝松 奈美・大山 茅紗・溝口 礼奈・山崎 真由
    • 雑誌名

      Theoretical and Applied Linguistics at Kobe Shoin

      巻: 27 ページ: 31-45

    • DOI

      10.14946/0002000075

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 共通語化と方言地理学2023

    • 著者名/発表者名
      小林隆・熊谷康雄
    • 雑誌名

      方言地理学の視界

      巻: 1 ページ: 3-19

  • [雑誌論文] テンス・アスペクトと方言地理学2023

    • 著者名/発表者名
      津田智史
    • 雑誌名

      方言地理学の視界

      巻: 1 ページ: 127‐143

  • [雑誌論文] あいさつと方言地理学-他家訪問場面の新旧調査の比較を通して-2023

    • 著者名/発表者名
      中西太郎
    • 雑誌名

      方言地理学の視界

      巻: 1 ページ: 267-284

  • [雑誌論文] 東北方言におけるオノマトペの対人評価的な使用について2023

    • 著者名/発表者名
      川﨑めぐみ
    • 雑誌名

      名古屋学院大学論集 言語・文化篇

      巻: 34(2) ページ: 71-79

    • DOI

      10.15012/00001451

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] オノマトペと方言地理学2023

    • 著者名/発表者名
      川﨑めぐみ
    • 雑誌名

      方言地理学の視界

      巻: 1 ページ: 303-319

  • [雑誌論文] 口承文芸と方言地理学2023

    • 著者名/発表者名
      椎名渉子
    • 雑誌名

      方言地理学の視界

      巻: 1 ページ: 217-234

  • [雑誌論文] 民俗語彙と方言地理学-〈井戸〉を表す語彙-2023

    • 著者名/発表者名
      新井小枝子
    • 雑誌名

      方言地理学の視界

      巻: 1 ページ: 201-216

  • [雑誌論文] 感動詞と方言地理学-品物を手渡す場面における感動詞の地理的分布―2023

    • 著者名/発表者名
      田附敏尚
    • 雑誌名

      方言地理学の視界

      巻: 1 ページ: 321-337

  • [学会発表] 自分を語りたがる人々-自己開示の地域差をめぐって-2024

    • 著者名/発表者名
      小林隆
    • 学会等名
      神戸松蔭女子学院大学言語科学研究所講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] 「私」が発話に現れやすい地域-自己と他者の関係性を視点に-2024

    • 著者名/発表者名
      小林隆
    • 学会等名
      第48回社会言語科学会特別講演
    • 招待講演
  • [学会発表] 発話態度から見た言語行動の地域差2024

    • 著者名/発表者名
      小林隆
    • 学会等名
      第92回中部日本・日本語学研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 感動詞「いぇーい」「うぇーい」の意味・用法-ポライトネスとの関連から-2024

    • 著者名/発表者名
      田附敏尚
    • 学会等名
      第11回方言語用論研究会
  • [学会発表] 大分方言とコミュニケーション2023

    • 著者名/発表者名
      松田美香
    • 学会等名
      第23回大分県栄養士学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 大分県『野津原方言集』-保存・継承・研究の取り組み-2023

    • 著者名/発表者名
      松田美香
    • 学会等名
      第56回九州方言研究会
  • [学会発表] 他家訪問に対する応答表現の地域差2023

    • 著者名/発表者名
      中西太郎
    • 学会等名
      第11回方言語用論研究会
  • [学会発表] 郷土料理〈しもつかれ〉を表す語の形式と方言分布2023

    • 著者名/発表者名
      新井小枝子
    • 学会等名
      第116回日本方言研究会研究発表会
  • [学会発表] 感動詞「うぇーい」の記述研究2023

    • 著者名/発表者名
      田附敏尚
    • 学会等名
      関西圏女子大学連携プロジェクト「第11回異分野交流会」
  • [図書] 方言地理学の視界2023

    • 著者名/発表者名
      小林隆・大西拓一郎・篠崎晃一編
    • 総ページ数
      400
    • 出版者
      勉誠社
    • ISBN
      978-4-585-38003-0
  • [図書] 方言と日本のこころ2023

    • 著者名/発表者名
      澤村美幸
    • 総ページ数
      207
    • 出版者
      NHK出版
    • ISBN
      978-4-14-911074-5
  • [備考] 東日本大震災と方言ネット

    • URL

      https://www.sinsaihougen.jp/

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公開日: 2024-12-25  

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