研究課題
2023年7月15日に立教大学で第14回中世地下文書研究会を開催し、間枝遼太郎が「諏訪信仰文献の成立年代と伝承」、兒玉良平が「戦国期相良氏給人の家文書から探る内乱と知行再編」、春田直紀が「地下文書研究と「ムラの戸籍簿」 」という題名で研究報告を行った。11月5日に京都市の機関紙会館で開催した第15回中世地下文書研究会では、薗部寿樹著『中世村落の文書と宮座』(小さ子社、2023年)の合評会を行った。書評報告者には村上絢一(日本中世史)と渡部圭一(歴史民俗学)とを立て、著者の薗部によるリプライと討論もあり、中世の村落文書論と宮座研究の成果と課題を確認した。史料調査は、12月10日に熊本市の藤崎八旛宮で同社所蔵の中世文書・近世文書・絵巻を対象に実施した。この原本調査に先立ち、12月9日に熊本大学で研究会を開き、山岡史・時田栄子・佐藤雄基が藤崎八旛宮文書調査の事前検討報告、徳永健太郎が中世の石清水別宮と藤崎宮に関する研究報告を行った。なお、2023年5月には、本科研研究メンバーによる論文集『列島の中世地下文書ー諏訪・四国山地・肥後』(勉誠出版発行)を刊行した。本書には序論1編と各論17編が収録されている。
2: おおむね順調に進展している
当初2022年度に計画していた有光家文書の原本調査は事情により次年度実施に変更したが、その代わりに2023年度に予定していた藤崎八旛宮文書の調査を実施することができた。また、当初計画していた、一般公開の研究報告会・合評会や論文集の刊行も予定通り行うことができ、一定の成果を得ることができた。
2024年度は、有光家文書(山口県文書館蔵)を対象に原本調査を実施し、2年間の調査成果は研究会で報告・討論・検討を行い、文書実践論的な研究を推進する。また、今年度は最終年度にあたるため、昨年度に刊行した論文集の合評会を主催するとともに、中世地下文書の文書実践論的研究を総括する新たな論文集を企画・準備し、国別中世地下文書総目録も取りまとめて、3年間の研究活動を締め括りたい。
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