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2022 年度 実績報告書

清朝史の再構築:人口構造・国際関係と政策基調についての総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22H00701
配分区分補助金
研究機関信州大学

研究代表者

豊岡 康史  信州大学, 学術研究院人文科学系, 准教授 (30712559)

研究分担者 相原 佳之  公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (00634437)
柳 静我  鳥取大学, 地域学部, 教授 (50566338)
村上 正和  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (90736787)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード清朝史 / 中国経済史 / 中国政治史 / 中国社会史
研究実績の概要

今年度は、予定を入れ替えて、3年目に予定していた清朝中期の状況についての検討を行い、『嘉慶維新研究』(汲古書院)を刊行した。本書は、これまでの研究代表者、研究分担者が10年来進めてきた嘉慶4年の上諭の悉皆調査をもとにしたもので、清朝中期における社会・経済・政治・国際関係の実態を総合して検討する成果である。本書における検討を通じて、清朝政府が18世紀以来の社会経済構造の変容に対し、政策決定プロセスにおける世論の反映にかかわる仕組みを調整していることを明らかにした。加えて、経済変動への財政的対応がこの段階においてはなお影響力があることを示し、一方で、国際関係については1780年代までに形成された非介入政策を継続させていることを確認した。
加えて、「『雷塘庵主弟子記』訳注( 1 )」(『環日本海研究』28)を発表し、清朝の政策遂行の当事者であった地方官阮元(1764-1849)の生涯を読み解きながら、18世紀末を生きた中間層の生活を再構成し、同時に政策立案・実行を担うエリート官僚のリクルートと人事の扱いに関する情報を蓄積した。
これらの研究成果は、2023年5月に開催される国際東方学者会議におけるシンポジウム「ユーラシアのなかの嘉慶維新(1799)」においても、政治・環境・経済・国際関係および研究史についてそれぞれ踏み込んだ報告を行う予定である。
来年度に移行した清朝初期の状況については、基礎的な整理をすでに行っており、その一部は「「海と草原の明清交代:鄭氏台湾と康熙帝」」(『アジア人物史 第7巻 近世の帝国の繁栄とヨーロッパ』集英社)において示している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度はこれまでの研究成果を公刊する作業を通じて整理することから始めた。そのため、3年目に予定されていた、清代中期にかかわる検討を行い、おおむね所期の目的を達成することができた。

今後の研究の推進方策

来年度は、予定を組み替えて、初年度に予定していた清朝初期の状況について主に検討を加える。また、コロナ禍に関わる行動制限がほとんどなくなったため、海外での資料収集や研究打ち合わせなどを予定している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [国際共同研究] 国立海洋研究院(台湾)(その他の国・地域)

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      国立海洋研究院(台湾)
  • [雑誌論文] 『雷塘庵主弟子記』訳注( 1 )2023

    • 著者名/発表者名
      村上正和, 豊岡康史, 相原佳之, 柳静我, 李侑儒
    • 雑誌名

      環日本海研究年報

      巻: 28 ページ: 80-86

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 南シナ海貿易と中国経済:成果と課題2022

    • 著者名/発表者名
      豊岡康史
    • 学会等名
      第91回社会経済史学会全国大会
  • [学会発表] “切勿輕開邊釁”:嘉慶四年的對外姿態(切に 軽々しく辺釁を開くなかれ:嘉慶四年の対外姿勢)2022

    • 著者名/発表者名
      豊岡康史
    • 学会等名
      2022内亜世海洋:明清中央档案、地方文書及域外史料国際研討会
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] 嘉慶維新研究2023

    • 著者名/発表者名
      村上正和、相原佳之、豊岡康史、柳静我、李侑儒 編
    • 総ページ数
      296
    • 出版者
      汲古書院
    • ISBN
      9784762967184
  • [図書] アジア人物史 第7巻 近世の帝国の繁栄とヨーロッパ(分担執筆「海と草原の明清交代:鄭氏台湾と康熙帝」pp.543- 599)2022

    • 著者名/発表者名
      姜尚中、青山亨、伊東利勝、小松久男、重松伸司、妹尾達彦、成田龍一、古井龍介、三浦徹、村田雄二郎、李成市 編
    • 総ページ数
      808
    • 出版者
      集英社
    • ISBN
      9784081571079

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公開日: 2023-12-25  

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