研究課題/領域番号 |
22H00705
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
春日 あゆか 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (30792220)
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研究分担者 |
梅原 秀元 立教大学, 文学部, 特任准教授 (00840117)
高林 陽展 立教大学, 文学部, 准教授 (30531298)
東風谷 太一 一橋大学, 社会科学古典資料センター, 助教 (50801198)
福元 健之 福岡大学, 人文学部, 講師 (70802255)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 身体 / 環境 / ヨーロッパ / ビジネス |
研究実績の概要 |
身体やその周辺環境に公権力が介入するあり方は、近代以降複雑化している。特に専門家の知識を主な根拠とし、人々が主体的に行動変容する(ことを期待する)介入のあり方は、人々の欲望と介入する側の思惑の一致によって社会に大きな変化をもたらしうる。ただし、そこにみられる権力関係は公権力と個人の二極だけで説明できるものではなく、様々な中間団体・組織が関与する。先行研究でも様々な中間団体・組織の関わりが論じられてきたが、本研究では、十分に研究がなされていない経済主体(ビジネス)を扱う。 2022年度は四年計画の初年度にあたった。計画では、それぞれが史料調査を行うなどして事例研究を進めることとなっている。計画通りにイギリス、ドイツ、ポーランドでそれぞれ史料調査を行い、ビジネスなどが人々の身体やその周辺環境に、食品や健康問題、環境問題を通じていかに介入したかに関連する史料を収集した。 また、それぞれの研究内容について議論するために、四度の研究会を開いている。それぞれの研究領域について、上述の課題と関連する先行研究を共有し、また事例研究を具体的にどのように進めていくかについて検討した。 先行研究を共有する過程で、共同研究者の間での理解を深め、また他の研究者に研究の必要性を認識してもらうためにも、本研究のテーマに関して共同でレビュー論文を執筆することとなり、準備を進めている。特に日本では、身体や環境への介入におけるビジネスの役割について、明示的に議論している研究はほとんどなく、関連文献についてまとめることは、身体や環境への介入についての議論を進めるうえで重要だろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度はそれぞれが史料調査を行って事例研究を進めるという計画だった。これについては、順調に進んでいる。これに加え、先行研究の整理やそれをふまえての議論、また各人の事例研究をどのように進めていくかについての議論を計四回の研究会で行った。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は先行研究を整理し、本研究の方向性を示すためのレビュー論文を共同で執筆し発表する計画である。また、各人の事例研究を進め、必要に応じて国内の学会あるいは研究会で発表することも予定している。
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