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2022 年度 実績報告書

古墳・副葬品の多角的検討にもとづく日本列島初期仏教受容史の再構築

研究課題

研究課題/領域番号 22H00719
配分区分補助金
研究機関京都府立大学

研究代表者

諫早 直人  京都府立大学, 文学部, 准教授 (80599423)

研究分担者 菱田 哲郎  京都府立大学, 文学部, 教授 (20183577)
石橋 茂登  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 飛鳥資料館, 室長 (90311216)
廣瀬 覚  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 室長 (30443576)
三田 覚之  独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 主任研究員 (00710493)
初村 武寛  公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (80634279)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード初期仏教 / 舎利荘厳具 / 古墳 / 副葬品 / 金工品
研究実績の概要

本研究は、仏教が伝来、定着した6・7世紀を中心とする時期の古墳(副葬品)と、寺院(舎利荘厳具)という「モノ」に対する多角的検討から、飛鳥寺を嚆矢とする本格的寺院造営に至るまでの日本列島の仏教受容プロセスを具体的に描き出すことを目的とする。具体的には、Ⅰ.古墳時代初期仏教関連考古資料の抽出と分析、Ⅱ.飛鳥寺院出土舎利荘厳具の基礎資料化、Ⅲ.朝鮮半島の古墳(副葬品)、寺院(舎利荘厳具)との比較検討、という三つのサブプロジェクトを柱に据えて、研究を進めていく。日本考古学、朝鮮考古学、美術史、文化財科学など当該期のモノを対象とする複数分野の研究者が参画し、古墳(副葬品)の中に仏教公伝の同時代資料(初期仏教関連考古資料)を見いだすことで、『日本書紀』などの後代に成立した「文字」資料にもとづいて語られてきた、既存の日本列島初期仏教受容史の刷新と再構築を目指す。
1年目となる本年度は、パソコンやカメラなど本研究の遂行に必要な機材を整備するとともに、Ⅰの核となる京都府湯舟坂2号墳出土品について出土品の実見を含めた遺物検討会と一般市民向けの成果報告会を実施したほか、先行する首長墳とされる須田平野古墳の測量調査を実施し、丹後半島川上谷川流域における初期仏教受容プロセスの解明に努めた。日本列島の初期仏教受容史を考える上でカギとなる馬具については、古墳時代中期における木製馬具生産や、古墳時代後期の装飾馬具と初期仏教美術などの関係性について検討をおこない、論考を発表した。Ⅱの核となる奈良県飛鳥寺塔心礎埋納品については、分担者、協力者を合わせた遺物検討会を実施し、整理作業に着手した。特に鎌倉時代に塔跡に再埋納された舎利容器について集中的に調査を進め、その成果の一部を発表した。Ⅲについてはコロナ禍が改善した年度末に研究代表者が訪韓し、現地の研究協力者と今後の調査の進め方について協議をおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本格的な海外調査については時宜が整わず次年度以降に先送りせざるを得なかったが、国内での調査、特に本研究の核となるフィールド調査や資料整理については順調に進めることができた。

今後の研究の推進方策

今年度も本研究の核となる丹後半島のフィールド調査や飛鳥寺の資料整理を進めるとともに、国内外で類例の資料調査をおこない、古墳時代初期仏教関連考古資料の抽出、基礎資料化と分析に努める。飛鳥寺塔心礎埋納品については韓国から研究者を招聘して遺物検討会を実施し、来年度以降の本格的な比較研究の基盤を構築する。
また今年度も本研究課題に関わる一般市民向けの成果報告会の開催を予定している。研究成果については専門的な学術論文だけでなく、講演や一般書籍によって速やかに発信することに努める。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (6件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 飛鳥寺塔跡出土舎利容器2023

    • 著者名/発表者名
      石橋茂登・諫早直人・村田泰輔・田村朋美・星野安治・三田覚之
    • 雑誌名

      奈良文化財研究所紀要2023

      巻: ‐ ページ: -

  • [雑誌論文] 山田寺伽藍配置計画の再検討2023

    • 著者名/発表者名
      廣瀬 覚
    • 雑誌名

      文化財論叢

      巻: Ⅴ ページ: 77-96

  • [雑誌論文] 淀川左岸の開発と5世紀の王権2023

    • 著者名/発表者名
      菱田哲郎
    • 雑誌名

      牧の景観考古学

      巻: - ページ: 243-259

  • [雑誌論文] 京丹後市須田平野古墳の調査(1)2023

    • 著者名/発表者名
      諫早直人・重野正和・守田悠・大倉響稀・大須賀丈汰郎・吉永健人・松田篤・井川瑞希
    • 雑誌名

      京都府立大学文学部歴史学科フィールド調査集報

      巻: 9 ページ: 3-10

  • [雑誌論文] 古墳出土馬具と仏教工芸2022

    • 著者名/発表者名
      諫早直人
    • 雑誌名

      聖地霊場の成立についての分野横断的研究

      巻: - ページ: 25-42

  • [雑誌論文] 湯舟坂2号墳出土貝装馬具、もう一つの海の道2022

    • 著者名/発表者名
      諫早直人
    • 雑誌名

      地域資源としての湯舟坂2号墳Ⅱ

      巻: - ページ: 24-25

  • [学会発表] 馬具の暦年代論と古墳時代中期の対外交渉2022

    • 著者名/発表者名
      諫早直人
    • 学会等名
      中国四国前方後円墳研究会 第25回研究集会
  • [学会発表] The Landscape of Early Horse Breeding in Japan2022

    • 著者名/発表者名
      ISAHAYA Naoto
    • 学会等名
      WAC-9
    • 国際学会
  • [学会発表] 古墳時代の生産と氏族認識2022

    • 著者名/発表者名
      菱田哲郎
    • 学会等名
      日本考古学協会2022年度福岡大会
  • [学会発表] 魏晋の馬具と東北アジア2022

    • 著者名/発表者名
      諫早直人
    • 学会等名
      黒川古文化研究所・西宮市・西宮市教育委員会共催第68回夏季講座
  • [図書] 牧の景観考古学 古墳時代初期馬匹生産とその周辺2023

    • 著者名/発表者名
      諫早直人(編)
    • 総ページ数
      380
    • 出版者
      六一書房
    • ISBN
      9784864451642
  • [図書] 地域資源としての湯舟坂2号墳Ⅱ ―出土品研究の最前線― 《発表資料集》2022

    • 著者名/発表者名
      諫早直人・溝口泰久(編)
    • 総ページ数
      32
    • 出版者
      京都府立大学文学部考古学研究室

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公開日: 2023-12-25  

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