研究課題/領域番号 |
22H00722
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
植月 学 帝京大学, 付置研究所, 准教授 (00308149)
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研究分担者 |
矢野 萌生 千葉工業大学, 次世代海洋資源研究センター, 主任研究員 (30880281)
庄田 慎矢 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, 室長 (50566940)
金井 拓人 帝京大学, 付置研究所, 助教 (60779081)
覚張 隆史 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 助教 (70749530)
上條 信彦 弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (90534040)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 牛馬 / 動物考古学 / 同位体分析 / 脂質分析 / 石器使用痕分析 |
研究実績の概要 |
今後4か年の研究の基盤となるレファレンスデータの収集、整備を主眼に調査、分析を実施した。古病理学的分析については野生馬である御崎馬の現生標本群の調査を実施し、遺跡出土馬の古病理を評価するための基準データを得た。出土牛馬遺体の分析の精緻化については遺存状態がきわめて良好な鎌倉市由比ガ浜中世集団墓地遺跡出土標本群を対象とした古病理、および解体痕の観察、記録とパターンの分析をさらに推進した。皮革利用に関しては皮鞣し関連遺物を抽出するための比較材料として、姫路市における伝統的皮鞣しの技法と道具の調査をおこなった。出土資料については残存脂質分析により皮鞣しに利用された可能性を提唱した東京都落川・一の宮遺跡(古代)出土磨痕石の使用痕分析を実施した。同位体分析に関しては中世遺跡出土牛馬のストロンチウム、酸素炭素同位体分析のための条件設定と試料選定を進めた。脂質分析については現生牛馬標本のレファレンス整備を進めた。さらに、今後の古病理学的分析や解体痕分析の比較対象の確保と、化学分析試料候補の確保を目的として、各地の牛馬遺体の分析も積極的におこなった。今年度は東国の近世遺跡出土馬、越後の古代牛の資料などを分析、報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査班による各地の資料調査はおおむね当初の計画通りに進んでいるが、分析用サンプルの選定や手続きに時間を要してしまったため、分析班への試料提供に遅れが生じており、当初の分析計画に対してやや遅れ気味である。
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今後の研究の推進方策 |
調査班は古病理学的調査が遅れているウシの古病理に関する調査を進めるため、現生野生牛標本の調査をおこなう。解体痕は引き続き中世牛馬の分析を進めるとともに、遺存良好な古代遺跡の探索も行う。皮革利用に関しては皮鞣しに利用された可能性のある東北など他地域の礫石器の使用痕分析を実施し、すでに得られている東国遺跡の事例との比較をおこなう。 分析班はすでに分析に着手している遺跡資料を主な対象として分析を進める。調査班の研究内容に合わせ、東国の古代・中世遺跡を主な対象とする。ストロンチウム同位体分析は酸素・炭素同位体分析を実施済みの試料を主な対象として、東国古代官衙遺跡出土牛馬遺体の来歴を明らかにする。酸素・炭素同位体分析は中世都市鎌倉、および東国古代官衙遺跡周辺出土牛馬遺体について分析事例を追加する。特に、分析例が少ない牛歯の分析例を増やし、馬との比較をおこなう。脂質分析は東国古代遺跡より出土した土器と皮鞣し用の可能性のある礫石器より抽出した脂質の種同定をさらに追加し、古代の死牛馬利用の解明を進める。
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