研究課題
同位体比質量分析装置の運転に不可欠なヘリウムガスの供給不足により、年層内サンプルの酸素同位体比測定が計画通りに進まなかった。そこで、既存の年輪データを活用して、年代決定に必要な年輪数や、地域間での年輪データの空間相関について網羅的に分析し、年代決定の目安となるサンプルの特徴を統計的に検討して国際誌に論文を発表した。また、既存の年輪サンプルからのセルロース抽出や年層の分割といった前処理を先行して進めるとともに、考古木材(北九州市)と現生木(日田市)のサンプルを新たに収集した。ヘリウムガスの供給が再開したタイミングで、準備していたサンプルの測定に移り、年層内データを取得するとともに、新たに収集した考古材の年代を決定することができた。
2: おおむね順調に進展している
当初の予定から変更を余儀なくされたが、年代決定の高度化に資する基礎的なデータを論文として公表できたほか、遅れながらも年層内データの収集に着手できたため。
引き続き、年層内データの収集と分析を進め、より少ない年輪数での年代決定にむけた分析手法の開発に取り組む。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)
Science of The Total Environment
巻: 857 ページ: 159437~159437
10.1016/j.scitotenv.2022.159437
文明動態学
巻: 2 ページ: 18~31
10.18926/64199
npj Climate and Atmospheric Science
巻: 6 ページ: 8
10.1038/s41612-023-00341-2
『神戸市埋蔵文化財年報』神戸市文化スポーツ局文化財課
巻: - ページ: 129-139
Journal of Archaeological Science: Reports
巻: 45 ページ: 103626~103626
10.1016/j.jasrep.2022.103626