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2022 年度 実績報告書

AIエージェントと協働する人間の「働き方」と法規制の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22H00788
配分区分補助金
研究機関九州大学

研究代表者

新屋敷 恵美子  九州大学, 法学研究院, 准教授 (90610808)

研究分担者 大屋 雄裕  慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (00292813)
小山 敬晴  大分大学, 経済学部, 准教授 (00633455)
藤木 貴史  帝京大学, 法学部, 助教 (20846399)
東藤 大樹  九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (50708394)
早津 裕貴  金沢大学, 法学系, 准教授 (60732261)
井川 志郎  山口大学, 経済学部, 准教授 (90804344)
岡本 舞子  北九州市立大学, 法学部, 講師 (70879783)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードAI・アルゴリズムによる管理監督 / プラットフォーム / コントロール / 役務提供者と集団 / 民主主義 / 透明性 / 管理監督機能と検証可能性
研究実績の概要

2022年度は、全体では4回の会合を開催し(3回はコロナウィルス感染症拡大予防の観点等からオンラインとしたが、1回は対面で開催することができた。)、まず、研究期間全体での計画、2022年度における計画を確認し、学際的な研究であることから、各研究チームにおける問題状況、新たに出てきている論点、学際的なアプローチを適用できる局面、などの確認を行っていった。また、法哲学チームと情報工学チームの連携を開始・強化し、AI・アルゴリズムによる役務提供者の管理監督における「公平性」等を共通項として研究を展開していくという暫定的な結論を得た。とりわけ、情報工学の分野の最新の研究においても、アルゴリズムの設計における公平性が重要となってきていることについて、認識を共有し、同分野と法学の架橋をどのように図るかについて、詳細な議論を行うことができた。
また、労働法チームにおいては、こうした実態的、基礎的な労務提供・受領における変化を、労働法上の幾つかの概念(すなわち、指揮命令、集団、民主主義など)において、イギリス、フランス、EU法、そして、日本法の議論を参照しつつ、どのように問題になり得るのかを検討していった。さらに、労働法チームだけでも、何度か会合を持ち、より具体的な議論をして、問題意識の共有等を図った。
2022年度の研究を通じて、2023年度には、2022年度における基礎的な研究成果を公表するとともに、AI・アルゴリズムによる役務提供・受領の管理監督の、日本や海外における実態調査を進めることにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

2022年度は、チーム間において、ある程度基礎知識のさらなる共有を図ることに主眼を置いていたが、研究分担者における問題意識・問題状況の共有のレベルが高く、そうした作業と並行して、研究を進めるいたり、2023年度に本研究プロジェクトの基礎的な点についての研究成果の公表の目途を立てることができたから。

今後の研究の推進方策

2022年度の研究成果として、AI・アルゴリズムによる役務提供に対する管理監督機能についてより具体的な論争点が明らかになってきた。2023年度以降は、こうした点のさらなる実態を解明するために、既にAI・アルゴリズムによる管理監督機能をサービスとして提供している会社等にヒアリングをするなどして、その技術的、法的な意義や課題を調査し、また、そこで明らかになった点の公表を進める。

  • 研究成果

    (28件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (14件) (うち招待講演 4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 労働人権デューディリジェンス立法の正当化根拠にかかる予備的考察―ドイツのLkSG法案の策定経緯2023

    • 著者名/発表者名
      井川志郎
    • 雑誌名

      法学新報

      巻: 129 ページ: 233-259

  • [雑誌論文] ドイツにおける人権デューディリジェンス立法の前提条件―ソフトローアプローチの厳格なモニタリングはなぜ可能であったか2023

    • 著者名/発表者名
      井川志郎
    • 雑誌名

      社会法をとりまく環境の変化と課題 浜村彰先生古稀記念論集

      巻: 著書の一部 ページ: 111-135

  • [雑誌論文] メタバースの可能性と限界(特集:メタバースがやってくる!)2023

    • 著者名/発表者名
      大屋雄裕
    • 雑誌名

      法学セミナー

      巻: 817 ページ: 20-25

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 個人信用スコアとその規範(特集:DXによる社会生活への影響と新しい課題)2023

    • 著者名/発表者名
      大屋雄裕
    • 雑誌名

      季刊個人金融

      巻: 17巻4号 ページ: 2-10

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 監視と保護の二面性(シンポジウム:ICTと監視社会・個人情報保護)2023

    • 著者名/発表者名
      大屋雄裕
    • 雑誌名

      比較法研究

      巻: 83 ページ: 91-99

    • 査読あり
  • [雑誌論文] プラットフォームと労働法2023

    • 著者名/発表者名
      新屋敷 恵美子
    • 雑誌名

      九州法学会会報

      巻: 2022 ページ: 32~35

    • DOI

      10.20661/kla.2022.0_32

  • [雑誌論文] 労働法理論の現在 : 2020~22年の業績を通じて2023

    • 著者名/発表者名
      山川 隆一, 川口 美貴, 池田 悠, 新屋敷 恵美子
    • 雑誌名

      日本労働研究雑誌

      巻: 65 (2・3) ページ: 2-57

  • [雑誌論文] 健康確保と時間主権の保障―『これからの労働時間制度に関する検討会報告書』から読み込む労働時間政策の展望と課題2023

    • 著者名/発表者名
      岡本舞子
    • 雑誌名

      労働法律旬報

      巻: 2023=2024号 ページ: 78-85

  • [雑誌論文] EUのプラットフォーム就労指令案:条文全訳と解説2022

    • 著者名/発表者名
      井川志郎
    • 雑誌名

      労働判例

      巻: 1261 ページ: 5-18

  • [雑誌論文] イギリスにおける「ゼロ時間契約(zero-hours contract)」の停止期間中の権利義務と契約解釈 : 賃金からの控除を受けない権利の適用をめぐって2022

    • 著者名/発表者名
      新屋敷恵美子
    • 雑誌名

      季刊労働法

      巻: 279 ページ: 160-177

    • 査読あり
  • [雑誌論文] イギリスにおけるサービス提供の「場」をめぐる不法行為法上の責任の一展開 : 委譲できない義務(non-delegable duty)と代位責任(vicarious liability)2022

    • 著者名/発表者名
      新屋敷 恵美子
    • 雑誌名

      法政研究

      巻: 89 ページ: 119~139

    • DOI

      10.15017/6757906

  • [雑誌論文] Concerns for Uncertainty around the Contract of Employment in English Law: The Response of Lord Justice Elias2022

    • 著者名/発表者名
      Shinyashiki, Emiko
    • 雑誌名

      Journal of Law and Politics

      巻: 89(1) ページ: 1-29

    • DOI

      10.15017/4796011

  • [雑誌論文] 日本港運協会事件――何が問われているのか2022

    • 著者名/発表者名
      藤木貴史
    • 雑誌名

      労働法律旬報

      巻: 2020 ページ: 7-13

  • [学会発表] 「公務員」懲戒処分の局面を例として2022

    • 著者名/発表者名
      早津裕貴
    • 学会等名
      AI・アルゴリズムと働き方研究会
  • [学会発表] 公契約条例を通じた労働条件規制の法的意義に関する検討2022

    • 著者名/発表者名
      早津裕貴
    • 学会等名
      労働法若手研究会
  • [学会発表] 公務員の任用・勤務関係と労働者の契約関係の再整序に向けた一試論2022

    • 著者名/発表者名
      早津裕貴
    • 学会等名
      労働法若手研究会
  • [学会発表] マルチエージェントシステムとゲーム理論,そしてこれから2022

    • 著者名/発表者名
      東藤大樹
    • 学会等名
      第36回人工知能学会全国大会
    • 招待講演
  • [学会発表] プラットフォームと労働法2022

    • 著者名/発表者名
      新屋敷恵美子
    • 学会等名
      九州法学会
    • 招待講演
  • [学会発表] e-sportsと労働法2022

    • 著者名/発表者名
      新屋敷恵美子
    • 学会等名
      情報法ネットワーク法学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 監視と保護の二面性2022

    • 著者名/発表者名
      大屋雄裕
    • 学会等名
      比較法学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 分配の正義と正当化2022

    • 著者名/発表者名
      大屋雄裕
    • 学会等名
      AI・アルゴリズムと働き方研究会
  • [学会発表] 合意形成の 経済学 と アルゴリズム2022

    • 著者名/発表者名
      東藤大樹
    • 学会等名
      AI・アルゴリズムと働き方研究会
  • [学会発表] アルゴリズム等に関する説明責任・可能性と労働者・市民との関係性2022

    • 著者名/発表者名
      藤木貴史
    • 学会等名
      AI・アルゴリズムと働き方研究会
  • [学会発表] EUにおける労働関連 AI・アルゴリズム規制の動向2022

    • 著者名/発表者名
      井川志郎
    • 学会等名
      AI・アルゴリズムと働き方研究会
  • [学会発表] 反事実と公平性2022

    • 著者名/発表者名
      東藤大樹
    • 学会等名
      AI・アルゴリズムと働き方研究会
  • [学会発表] ギグワークと公平性 :「新しい働き方」の光と影2022

    • 著者名/発表者名
      大屋雄裕
    • 学会等名
      AI・アルゴリズムと働き方研究会
  • [学会発表] フランス労働法におけるプラットフォーム就労 者の交渉に関する法制度2022

    • 著者名/発表者名
      小山敬晴
    • 学会等名
      AI・アルゴリズムと働き方研究会
  • [図書] よくわかる!労働判例ポイント解説集[第2版]2023

    • 著者名/発表者名
      藤木貴史他
    • 総ページ数
      173
    • 出版者
      労働開発研究会
    • ISBN
      978-4903613314

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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