研究課題/領域番号 |
22H00789
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
西村 淳 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (20746523)
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研究分担者 |
国京 則幸 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (10303520)
橋爪 幸代 日本大学, 法学部, 教授 (30407340)
平部 康子 佐賀大学, 経済学部, 教授 (60316164)
丸谷 浩介 九州大学, 法学研究院, 教授 (10310020)
三輪 まどか 南山大学, 総合政策学部, 教授 (30516084)
林 健太郎 慶應義塾大学, 産業研究所(三田), 講師 (50803516)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 社会保障法 / ソーシャルワーク / イギリス法 |
研究実績の概要 |
本研究においては、福祉実践と法実践の関係と違いについての原理的な研究、法制度におけるソーシャルワークの位置づけと機能についての制度面の研究、専門職の法的役割と人材養成における法教育に関する人材面の研究という3つの項目について進めるとともに、それらの横断的な視点を踏まえ、社会福祉の主要な6領域(高齢者・児童・障害者・生活困窮者・医療福祉・地域福祉)について、それぞれの領域におけるソーシャルワークの法的検討を行うこととし、①国内研究会、②国内3拠点におけるフィールドワーク、③国際共同研究の3つを進めている。 初年度である2022年度においては、全体の研究設計を明確にする観点から、ソーシャルワークと法の実践の関係と違いという原理面を中心に研究し、①ソーシャルワークと法的介入の違い、②法とソーシャルワークの協働のあり方、③法に沿ったソーシャルワークの内容をどのように福祉実践者の行動規範としての倫理基準とするかなどを明らかにしたうえで、実定法とその運用への含意について考察した。 具体的には、研究分担者(社会保障法研究者)らによる国内研究会を行ったほか、国内3拠点の関係者と研究会を行ってフィールドワークの準備を行い、またイギリスの研究者との予備協議を行った。ただし、当初の予想に反し、コロナ感染が11月から再拡大したため、フィールドワークの対象となる福祉現場への研究者の受入れ停止が続き、また入国規制が続いたことで、海外研究者の招聘に協力を得られないことが判明したため、研究費の繰り越しを認めていただき、実際の国内フィールドワークおよびイギリスの研究者との予備協議は、2023年度に入って行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度である2022年度においては、全体の研究設計を明確にする観点から、ソーシャルワークと法の実践の関係と違いという原理面を中心に研究した。具体的には、研究分担者(社会保障法研究者)らによる国内研究会を行ったほか、国内3拠点の関係者と研究会を行ってフィールドワークの準備を行い、またイギリスの研究者との予備協議を行った。ただし、コロナ感染が再拡大したため、フィールドワークの対象となる福祉現場への研究者の受入れ停止が続き、また入国規制が続いたことで、海外研究者の招聘に協力を得られないことが判明したため、実際の国内フィールドワークおよびイギリスの研究者との予備協議は、2023年度に入って行うこととなった。したがって、2022年度の当初の研究計画からはやや遅れている。 研究費の繰越により、2023年度に入って神奈川・福岡・名古屋の3拠点における福祉関係者とのフィールドワーク、イギリス訪問による海外研究者との予備協議を行うことができた。また、ソーシャルワークと法の実践の関係と違いという原理面の研究につき、第78回社会保障法学会におけるミニシンポジウム「ソーシャルワークに法はどう向き合うか―イギリス法の経験から」で成果を報告し、国内研究者に対しその学術的意義について問うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
2年目である2023年度以降においては、引き続き①国内研究会、②国内3拠点におけるフィールドワーク、③国際共同研究の3つを進めていくこととしている。とくに、ソーシャルワークと法の実践の関係と違いという原理面の研究に続き、ソーシャルワークの位置づけと機能についての制度面の研究、専門職の法的役割と人材養成における法教育に関する人材面の研究の2つについて進める。また、それらの横断的な視点を踏まえ、社会福祉の主要な6領域について、それぞれの領域におけるソーシャルワークの法的検討を行うこととしている。①高齢者領域では、居宅介護支援のプロセスや、契約締結の支援及び成年後見などの権利擁護、②児童福祉領域では、児童虐待への対応における児童福祉司の役割、家庭裁判所と児童相談所の関係、③障害者領域では、計画相談支援・地域相談支援、成年後見などの権利擁護と意思決定支援、④生活困窮者領域では、生活保護における自立支援、生活困窮者自立支のプロセス、若者の自立支援、⑤医療福祉領域では、退院支援と医療・介護連携、人生最終段階における意思決定支援、⑥地域福祉領域では、住民参加の支援(コミュニティソーシャルワーク)、専門職の養成と人材確保などが主な問題群となる。 具体的には、分担研究者(社会保障法研究者)らによる国内研究会を定期的に行うほか、初年度にはコロナの影響がなお地域の現場に残ることから十分に行うことができなかった国内3拠点の関係者と研究会を行って地域のフィールドワークを行う。さらに、イギリスを訪問し、イギリスの研究者との研究会・シンポジウムを行うとともに、現地調査を行って、法制度面・人材面について明らかにしていく。
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