研究課題/領域番号 |
22H00815
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
阪本 拓人 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40456182)
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研究分担者 |
久保田 徳仁 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 人文社会科学群, 准教授 (00545858)
キハラハント 愛 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10806459)
村瀬 洋介 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, 研究員 (30709770)
大石 晃史 青山学院大学, 国際政治経済学部, 研究員 (60814944)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | グローバル・ガバナンス / 計算社会科学 / サイバーフィジカル融合 / 国際連合 / サイバーセキュリティ |
研究実績の概要 |
交付申請書に記載のとおり,研究課題初年度の本年度は,Slackやzoomといったオンラインツールを活用しつつ,研究組織内でのコミュニケーションを頻繁に重ね,今後の研究の方向性を固めていった.その結果,研究代表者(阪本)や研究分担者(キハラハントや久保田)がこれまで研究を行ってきた国連の安保理での政策討議や国連平和活動について,関連主体の政策発信やそれに対する紛争当事者の反応などをオンライン(SNSの投稿内容等)・オフライン(議事録での発言記録等)両面でフォローし比較するところから手をつけることになった.この目的のため,大学院のRAを複数名雇用し,国連研究やオンライン外交,SNSと国際関係といった関連分野の文献の収集と検討を行った. また関連して,研究代表者が中心になって構築した国連安保理の公式会合のデータセット(各会合の基本情報および各国/機関代表による発言のテキスト等から構成)の整備を,やはり複数の大学院生の助力を得ながら推進した.その結果,会合データについては戦後のほぼ全ての会合,発言データについては冷戦後のほぼ全期間を網羅するデータセットが完成し,年度末にHarvard Dataverseにて公開した(doi:10.7910/DVN/CKPTRB).このデータセットを使って安保理における過去30年の安全保障言説の変容を分析した論文も,International Studies Quarterly誌に受理され,近日中に掲載予定である. 最後に,研究組織のメンバーのうち大石・村瀬・阪本は,大学院生RAとともに,開発分野のガバナンスを開発援助のデータとネットワーク分析の手法を使って分析する研究も行った.その結果は学術論文'Evolution of global development cooperation: An analysis of aid flows with hierarchical stochastic block models'にまとめられ,PLOS ONE誌に掲載された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおよそ交付申請時の研究計画通り作業を進めてきている.当初予定していたサイバーフィジカル・プロセスのデータ取得と探索的分析は行うことができなかったが,準備自体は整っているので早々に着手したい.国連でのインタビュー調査については感染症の状況もあり実施を見送った.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き研究組織内のコミュニケーションを密に図りつつ,RAの助けも得ながら着実に研究計画の実施に努めたい.特に国連安保理の政策討議に関するサイバーフィジカル・プロセスについては,共著論文の執筆と投稿を目標に,データの収集と分析を速やかに始めるつもりである.以上を最優先課題としつつ,インタビュー調査についても引き続き実施の機会を積極的に探っていきたい.
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