研究課題/領域番号 |
22H00827
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
小林 照義 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (10387607)
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研究分担者 |
川本 達郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (10791444)
翁長 朝功 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (90823922)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ネットワーク / 拡散 / 対称性の破れ |
研究実績の概要 |
社会・経済的繋がりで形成されるネットワーク上で起こる様々な拡散現象を数理モデル化する取り組みを主として行った。第一に、情報が不完全である場合(相手の状態が観察されない場合)における拡散現象はこれまで研究の蓄積がほぼないが、本研究では個人が相手の状態をベイズ推計しながらマクロ的な拡散が進んでいく状況をモデル化し、マスター方程式を用いて拡散過程を記述した。 第二に、複数の意見や状態がある場合におけるネットワーク上の拡散現象を数理的に解析した。個人の行動は調整ゲーム的に意思決定を行うことを想定し、その上で異なる意見の広がりの動的過程をマスター方程式によって記述した。結果として、ネットワークサイズが有限である限り、全く同じ魅力を持った意見や状態であっても、どちらか一方が支配的に拡散されるという「対称性の破れ」が発生することが示された。どちらの意見や状態が選択されるかは全くの偶然であり、その動的経路は鞍点経路となる。 これらの論文はそれぞれPhysical Review E, Journal of Economic Dynamics & Controlに掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果は複数の海外査読誌に掲載されており、当初の計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き地道に数理モデル化に取り組むことに加え、データを入手することで現実のネットワーク上でも理論的に示された現象が発生し得るのかを確認していく。
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