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2022 年度 実績報告書

人口減少下における競争政策の再考

研究課題

研究課題/領域番号 22H00837
配分区分補助金
研究機関一橋大学

研究代表者

若森 直樹  一橋大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (50770921)

研究分担者 渡邉 安虎  東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (60866250)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード競争政策 / 人口減少 / 医療機関 / 小売業 / 銀行業
研究実績の概要

競争的な市場環境を維持・促進する政策群である「競争政策」は経済のパフォーマンスを規定する非常に重要な政策である。しかし、従来の競争政策は人口減少を想定しておらず、人口減少に直面する日本の地方経済や衰退産業に対して従来通りの競争政策を運用して良いのかという疑問が提起されている。実際に、地方銀行の合併が特例的に認められることになった事例に代表されるように、既に政策現場では競争政策の変化が進みつつあるが、その効果や長期的な影響は学術的には未解明である。本研究の目的は、その効果や長期的な影響を精査することにある。
そのために、初年度である2022年度は消費者にとって重要な生活基盤である「小売業」と「医療機関」の2産業に着目し、データを収集し、計量経済学的な手法の吟味を行った。しかしながら、「小売業」はデータを収集したものの、あまり質の高いミクロデータが得られなかったため、より政策的に重要な「銀行業」を対象に追加することにした。その上で、研究代表者の所属する一橋大学と帝国データバンクが協力して設立している「帝国データバンク企業・経済高度実証研究センター(TDB-CAREE)」に、リサーチ・クエスチョンに回答が可能になるデータが存在していたため、そちらのデータの整備を始めた。また、「医療機関」に関しては、基礎的な病院の属性データを収集しつつ、財務諸表のデータ(貸借対照表と損益計算書)を購入し、それらの接続を行いつつ、分析手法の吟味を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度である2022年度は、需要関数の推定のために必要なデータの整備を行いつつ、どのような計量経済学的手法が適切かを吟味した。その中で、「小売業」のデータ粒度があまり高くないことから、「医療機関」と「銀行業」に焦点をあてることにして、それぞれのデータの入手を行った。また、各種の記述統計を見ながら、どのような手法が適切かの検討を行うことができたため、現在までの進捗状況は「おおむね順調に進展している」と考えられる。

今後の研究の推進方策

2年目である2023年度は、2022年度に行ったデータ整備や手法の吟味結果を基に、本格的な分析を開始する。
まず「医療機関」の合併に関しては、「2022年度に購入したデータ」と「病院の基本属性データ」を接続したデータの分析をさらに深化させつつ、まずは記述的にどのようなことが合併後に起こっているのかを分析する。
「小売業」に関しては、当初の想定よりもデータの質が低く、個別企業の合併に関しての情報があまりないため、少ないデータでも可能な分析方法を再検討する。
さらに、「小売業」の分析がうまく行かなかった場合に保険として考えている「銀行業」は比較的情報量のあるデータにアクセスできるようになったため、データの整備、及び分析を行いつつ、既存文献のレビューを行う予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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