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2023 年度 実績報告書

リバタリアンかパターナリズムかそれとも両方か:経験的社会厚生最大化メソッド

研究課題

研究課題/領域番号 22H00842
配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

依田 高典  京都大学, 経済学研究科, 教授 (60278794)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード経験的厚生最大 / 無作為比較対照法 / リバタリアン・パターナリズム
研究実績の概要

本研究は、3種類のポリシー・ターゲティングにより家庭の属性別に異なる介入を割り当てることで、社会厚生最大化のモデルを実証的に論証します。過去10年間、研究申請者は複数の競争的研究資金を獲得し、人間の限定合理性に注目する行動経済学とRCTを用いて因果性を識別するフィールド実験の融合研究を推し進め、学術論文・研究書で研究成果を発表します。過去の研究で得られた行動経済学とフィールド実験の融合研究をさらに推し進め、本研究ではフィールド実験とEWMを融合させる意欲的な挑戦です。
我々のEWM研究では、3種類のポリシー・ターゲティングを行うことによる社会厚生の増分を比較します。(i)強制型介入EWM(パターナリズム):実験協力世帯を二群に分け、介入を受けない参照群と全員が強制的に介入を受ける介入群に振り分けて、社会厚生を最大化します。(ii)選択型介入EWM(リバタリアン):実験協力世帯を二群に分け、介入を受けない参照群と希望者だけが介入を受ける介入群に振り分けて、社会厚生を最大化します。(iii)強制型・選択型混合EWM(我々の枠組みでのリバタリアン・パターナリズム):実験協力世帯を三群に分け、介入を受けない参照群と、強制的に介入を受ける介入群I、希望者が介入を受ける介入群IIに振り分けて、社会厚生を最大化します。
本研究期間中の年度毎に直接的に達成する目標を、2年目に当る2023年度では次のように定めました。
■ ATEを個人属性別に計算し、EWMの計算のためのアルゴリズムの設計を行いました。
■ ATE実績値とEWMによる社会厚生を統計的に比較検討し、EWMアルゴリズムのアップデートを図りました。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

電力、通信量の実証データ調査について内容・方法の検討を行った結果、エネルギー価格の高騰のために、当初予定していた調査条件で取得したデータでは現在の電力の消費状況がデータに反映されないことが判明しました。そこで、追加で調査条件について再検討を行った上で、調査期間の規模を拡大した、電力、通信量の実証データ調査を実施しました。

今後の研究の推進方策

本研究期間中の年度毎に直接的に達成する目標を、次のように定めます。第3年度(2024年):強制型介入EWM、選択型介入EWM、強制型・選択型混合EWMを計算し、それぞれの社会厚生の比較を行います。以上の通り、3年計画で、1年目にRCTフィールド実験を行い、2年目にEWMアルゴリズムを構築し、そして、これからの3年目に3つのEWMから得られる社会厚生の比較を行い適切に吟味検討した上で、リバタリアン・パターナリズムについて介入の仕方を政策的に検討します。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Selection on Welfare Gains: Experimental Evidence from Electricity Plan Choice2023

    • 著者名/発表者名
      Ito, K., T. Ida, and M. Tanaka
    • 雑誌名

      American Economic Review

      巻: 113.11 ページ: 2937–2973

    • 査読あり / 国際共著
  • [図書] データサイエンスの経済学:調査・実験,因果推論・機械学習が拓く行動経済学2023

    • 著者名/発表者名
      依田高典
    • 総ページ数
      259
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2024-12-25  

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