研究課題/領域番号 |
22H00868
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
森 樹男 弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (80250588)
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研究分担者 |
高島 克史 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (60463759)
大倉 邦夫 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (60634722)
熊田 憲 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (60736817)
林 彦櫻 弘前大学, 人文社会科学部, 助教 (90846354)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 疎空間 / ビジネス・エコシステム / ローカルイノベーション / スタートアップ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,疎空間(特徴的な産業集積がなく,人口密度の低い地域)において産業を創出する有用なビジネス・エコシステムを探索し,どのような要因が疎空間にある地域で有効に機能するのかを検討したうえで,疎空間におけるビジネス・エコシステムの理論を構築することにある。その目的を達成するために,2022年度は①文献研究,②理論的仮説構築のための国内予備調査,③研究会を計画していた。 そこで,本研究メンバーはそれぞれのテーマに従い文研研究を行うだけでなく,国内予備的調査を行った。具体的な調査としては,①佐賀県産業労働部産業DX・スタートアップ推進グループ及び株式会社Retocos(佐賀県唐津市髙島)代表取締役三田かおり氏にインタビュー調査,②北海道庁と北海道中小企業家同友会に訪問し、スタートアップエコシステム構築支援の取り組みについて聞き取り調査,などを実施した。 以上の調査からは,疎空間におけるスタートアップ支援や公的機関による支援のあり方などが明らかにすることができた。また,疎空間における産業集積形成には,地域で完結する(閉じる)のではなく,域内外の多くの人や組織を巻き込んでいく開放性が重要だということもわかった。 そのほか,海外調査の準備も進めた。具体的には,中国におけるエコシステムや産業集積に関する理論的・実証的文献をサーベイし、対象事例の選定を行ない,研究の対象を中国広東省汕頭市澄海区の玩具産業集積という事例に絞り込むこととした。 今後は,これまで得られた知見をもとに,さらなる事例研究を進めるとともに,疎空間におけるビジネス・エコシステムの理論の構築に向けて研究を進めていくこととしている。なお,以上の調査は,新型コロナウイルス感染症の影響により,実施時期を変更し,2023年度に繰り越して実施したものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は①文献研究,②理論的仮説構築のための国内予備調査,③研究会を行うこととしていた。このうち国内予備調査は,新型コロナウイルス感染症の影響で年度内に実施できなかったものの,2023年度に実施を繰り越し実施したことから,計画通り実施できたと考えている。それ以外の文献調査などは,予定通り実施できており,研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,2022年度の研究で得られた知見をもとに,さらなる国内外での調査を実施することで事例研究を進め,疎空間におけるビジネス・エコシステムの理論の構築に向けて研究を進めていくこととしている。
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