研究課題/領域番号 |
22H00925
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
堤 敦朗 金沢大学, 融合科学系, 教授 (20536726)
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研究分担者 |
井筒 節 東京大学, 教養学部, 特任准教授 (00392449)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 災害準備性 / 人権 / 精神保健 / 障害者 |
研究実績の概要 |
本研究課題における当該年度の成果について、研究プロセス【尺度の標準化研究】においては、「レジリエンス向上のための災害準備性チェックリスト」のフィリピン語版の有用性を確立するため、当該尺度の標準化研究(信頼性・妥当性検証)を実施した。標準化研究の対象者は、フィリピンの「障害者群」と「コントロール群」であった。尺度の標準化のためには、信頼性に関して、クロンバッハのα係数の算出を行い十分な係数を示した。妥当性に関しては、尺度の内容が妥当であるかを測るための構成概念妥当性、および併存妥当性や弁別妥当性を明らかにした。また、「災害準備性」、「人権状況研究」、「災害準備性と人権状況の関連】に関しては、上記の標準化研究において災害準備性尺度のデータ収集を開始した。対象者は、日本およびフィリピンの障害者「障害群」および一般人口「コントロール群」である。主たる従属変数として両群から「レジリエンス向上のための災害準備性チェックリスト」「人権に基づくウェルビーイング・チェックリスト」のデータを収集した。日本では、若者を対象とした半構造化多様性教育プログラムの影響を評価した。プログラム前後で、障害を含む多様性に関する知識や態度、自尊心、精神的健康の変化を比較した。知識・態度の質問に対する正答率は、ほとんどの質問で有意に増加し、2つの質問で有意に減少した。自尊心のスコアはプログラム終了後に有意に改善されたが、その差は非常に小さかった。精神的健康は、プログラム終了後に有意に悪化した。ロジスティック回帰分析の結果、プログラム前の精神保健のスコアが低いことと学業成績が悪いことは有意に高いオッズ比を示し、女性であること、障害を持っていないこと、親しい友人がいることはプログラム後の精神保健のスコアの悪化に関連していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
フィリピンでのデータ収集を開始できたことから計画を超えて順調に進展しているといえる
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今後の研究の推進方策 |
フィリピンでのデータ収集に加え、他国でのデータ収集の可能性を探る。
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