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2022 年度 実績報告書

国内外の個人情報保護法制が日本の学術研究・イノベーション創出にもたらす影響

研究課題

研究課題/領域番号 22H01022
配分区分補助金
研究機関政策研究大学院大学

研究代表者

隅藏 康一  政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (80302793)

研究分担者 石井 夏生利  中央大学, 国際情報学部, 教授 (00398976)
小泉 周  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 新分野創成センター, 特任教授 (10296551)
板倉 陽一郎  国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 客員主管研究員 (20815295)
長神 風二  東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (80501957)
藤田 正典  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任研究員 (20901656)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード個人情報保護法 / 個人データ / GDPR / 学術研究活動 / イノベーション
研究実績の概要

本研究では、欧州や米国の大学・研究機関における事例の調査を行った上で、日本の学術機関において、日米欧の個人情報保護法制に関してどのような影響が生じているのか、どのような体制整備が望まれるか等について、研究機関の研究マネジメント担当教授、大学リサーチ・アドミニストレーター経験者、弁護士、政府資金配分機関の経験者、民間企業の方々からなる専門家グループによる討議を行い、論点を抽出した。国内外の大学・研究機関に対するより詳細な調査を実施するための質問項目について、検討を行った。
医療データと人工知能のライフサイエンスへの活用には、個人情報保護、データ共有ルールといった課題があり、これらがデータ提供者の心理的側面に影響を及ぼす。医療データの提供によりもたらされる研究成果には公共財的な特性があり、すべての人が提供すれば全体の便益が最大化するのに、各個人の効用はデータを提供しないのが最適であるため、誰もがデータを提供しなくなるという状態に陥る可能性がある。本研究では、医療データ提供に関する数理モデルを提案し、シミュレーションを行うことにより、自発的データ提供者の「呼び水効果」が生じれば、非協力の均衡ではなく、協力の振る舞いが誘発されるという可能性を指摘した。
また、次世代医療基盤法が個人データを用いた研究の実施にどのような影響を与えたのかについて、定量的に分析するためのデータの収集とクリーニングを行った。これを踏まえて、今後分析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでに、日米欧それぞれの個人情報保護法制の歴史ならびに現状についての知見、欧州や米国において個人情報保護法制が学術研究とそれを礎とするイノベーション創出にどのような影響を及ぼしているかについての知見、日本において大学等の学術機関が日米欧の個人情報保護法制に対してどのように対応しているかについての知見を整理することができ、加えて、脳科学研究への影響や留意点、研究インテグリティの体制整備全般への影響や留意点、データポリシー策定への影響や留意点に関しては、追加的な調査が必要であることを明らかにすることができたため。

今後の研究の推進方策

これまでに得られた、日米欧それぞれの個人情報保護法制の歴史ならびに現状についての知見や、欧州や米国において個人情報保護法制が学術研究とそれを礎とするイノベーション創出にどのような影響を及ぼしているかについての知見や、日本において大学等の学術機関が日米欧の個人情報保護法制に対してどのように対応しているかについての定性調査の知見を踏まえて、調査研究を実施する。なお、脳科学研究への影響や留意点、研究インテグリティの体制整備全般への影響や留意点、データポリシー策定への影響や留意点に関しては、追加的な調査を実施する。これらに基づき、日本の大学へのアンケート調査の質問項目の設計を完成させ、アンケート調査を実施し収集したデータを分析することで、個人情報保護法制によって研究活動・イノベーション創出にどのような影響がもたらされているのか、どのような対応がなされているのかを明らかにし、今後の日本の各大学・研究機関における体制整備に資する知見を生み出し、日本の大学等の学術機関が日本の個人情報保護法や欧州のGDPRやその他の諸外国の法制度に対応してどのような研究マネジメントを実施すればよいのかについて、新たな知見を導く。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Toward the Utilization of Artificial Intelligence in Life Sciences: A Voluntary Medical Data Provisioning Model2022

    • 著者名/発表者名
      Fujita Masanori, Kitadai Ayato, Sumikura Koichi, Nishino Nariaki
    • 雑誌名

      2022 IEEE International Conference on Big Data (Big Data)

      巻: 1 ページ: 3250-3257

    • DOI

      10.1109/BigData55660.2022.10020740

    • 査読あり
  • [学会発表] 産学連携による医療イノベーションの促進に向けて(パネルディスカッション3 「臨床検査を終了した既存試料(残余検体)の研究、業務、教育のための使用に関する課題」)2022

    • 著者名/発表者名
      隅藏康一
    • 学会等名
      第7回 クリニカルバイオバンク学会 シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 生命科学へのAI活用に向けた医療データの円滑な提供を促すメカニズムの設計2022

    • 著者名/発表者名
      藤田正典, 北代絢大, 隅藏 康一, 西野 成昭
    • 学会等名
      人工知能学会 第21回SIG-BI研究会
  • [学会発表] 生命科学へのAI活用に向けた医療データの円滑な提供を促す集合知メカニズムフレームワーク2022

    • 著者名/発表者名
      藤田正典, 隅藏康一, 西野成昭
    • 学会等名
      日本経営工学会 2022年 春季大会

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公開日: 2023-12-25  

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