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2022 年度 実績報告書

ICT端末利用における視覚疲労の軽減と近視予防のための健康管理支援システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22H01053
配分区分補助金
研究機関東海大学

研究代表者

柴田 隆史  東海大学, 情報理工学部, 教授 (90367136)

研究分担者 堀田 龍也  東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50247508)
佐藤 和紀  信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (30802988)
板垣 翔大  宮城教育大学, 教育学部, 講師 (20847850)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワードデジタル機器 / 視距離 / 視覚疲労 / 近視 / 健康 / 姿勢 / 学習環境 / 学校教育
研究実績の概要

児童生徒のデジタル機器利用の増加に伴い、目や肩などの身体疲労や近視の増加が懸念されている。また、目の疲れと近視の予防には「目を画面に近づけて長時間見ないこと」が重要とされる。本研究の目的は、児童生徒の視距離や姿勢を測定することで、特にICT端末を用いた学習時における児童生徒の健康を支援し、快適な学習環境を構築することである。
初年度(令和4年度)は、児童生徒の健康面として懸念される視覚疲労や近視に関する国内外の動向調査と、児童生徒の学習時における視距離を測定するためのシステム開発に着手した。視距離測定では、ICT端末のフロントカメラで撮影した学習者の顔画像から両目の特徴点を検出し、画像上の瞳孔間距離の変化から視距離を測定する方法を検討した。学習者の実際の瞳孔間距離は不変であるため、画像上の瞳孔間距離が長ければ視距離は短く、逆に瞳孔間距離が短ければ視距離は長いことが示される。また、AI の骨格検出技術を用いて両目の位置情報を取得し、画像上の瞳孔間距離を算出する方法についても併せて検討した。さらに、教室での実用性と簡便性を考慮した視距離測定として、ICT端末を使っている様子を撮影した写真から精度よく視距離を推定する方法を検討した。写真を基にコンピュータグラフィックス(CG)による三次元空間でICT端末と観察者の顔の位置を再現し、そのCG空間において視距離を測定する方法である。測定値と実際の距離とを比較した精度の検証からは、良好な結果が得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では児童生徒の目の健康を支援するために、端末のフロントカメラから視距離を測定する機能開発が重要となる。当初の予定通り、その基礎となるプログラムの作成が達成された。また、初年度から本研究の成果発表(学会発表や講演)を行っていることなどに加え、研究の全体計画から考えて、おおむね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

児童生徒の健康面として特に視覚疲労や近視に着目し、現状の把握と検討を引き続き行う。また、視距離測定の機能については、精度の検証や汎用的に用いるための検討を行う予定である。また、研究期間を通じ、本研究で取り組むシステムの提案とともに、児童生徒自らが健康面に配慮してICTを活用できるリテラシーを身に付ける方法を検討していく。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] コンピュータの使用時間の経過と視距離の関係2022

    • 著者名/発表者名
      勝又吾羽, 板垣翔大, 柴田隆史, 堀田龍也
    • 雑誌名

      宮城教育大学技術科研究報告

      巻: 25 ページ: 22-23

  • [雑誌論文] 「ICTの効果的な活用」の考え方を再考する2022

    • 著者名/発表者名
      堀田龍也
    • 雑誌名

      信濃教育

      巻: 1622 ページ: 1-8

  • [学会発表] デジタル機器使用時の視距離を画像から測定する方法の提案2023

    • 著者名/発表者名
      高橋将貴, 柴田隆史
    • 学会等名
      日本教育メディア学会研究会
  • [学会発表] 大学生がビジュアルプログラミング言語を使用する際の視距離の傾向2022

    • 著者名/発表者名
      勝又吾羽, 板垣翔大, 柴田隆史, 堀田龍也
    • 学会等名
      日本産業技術教育学会 第40回東北支部大会
  • [学会発表] 学習におけるICT機器利用の実態2022

    • 著者名/発表者名
      柴田隆史
    • 学会等名
      第76回日本臨床眼科学会
    • 招待講演
  • [学会発表] AIの骨格検出技術を用いた体の大きさとカメラの画角に依らない視距離推定手法の提案2022

    • 著者名/発表者名
      板垣翔大, 勝又吾羽, 柴田隆史, 堀田龍也
    • 学会等名
      日本教育工学会 2022年秋季全国大会
  • [学会発表] デジタル機器を利用する子どもへの健康支援2022

    • 著者名/発表者名
      柴田隆史
    • 学会等名
      日本人間工学会第63回大会
  • [学会発表] 学校教育における児童生徒の1人1台の情報端末の活用と課題2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤和紀
    • 学会等名
      日本人間工学会第63回大会
  • [図書] ファーストステップ!子どもの視機能をみる2022

    • 著者名/発表者名
      仁科幸子、林 思音
    • 総ページ数
      318
    • 出版者
      全日本病院出版会
    • ISBN
      9784865198157
  • [図書] POSTURE2022

    • 著者名/発表者名
      柴田隆史、浅野由子、青木和夫
    • 総ページ数
      64
    • 出版者
      第一生命財団

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公開日: 2023-12-25  

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