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2022 年度 実績報告書

青年期アイデンティティ形成のメカニズムの解明と介入に関する複合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22H01083
配分区分補助金
研究機関大阪公立大学

研究代表者

畑野 快  大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 准教授 (50749819)

研究分担者 杉村 和美  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (20249288)
千島 雄太  筑波大学, 人間系, 助教 (30779608)
中尾 敬  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (40432702)
川本 哲也  国士舘大学, 文学部, 講師 (40794897)
高村 真広  島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (50720653)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードアイデンティティ / 精神的健康 / 青年期 / 行動遺伝学 / 脳内機序
研究実績の概要

本研究は,青年期を対象とし,1. 経験サンプリング法を用いる認知行動科学,2. 双生児法を用いる行動遺伝学,3. 脳機能計測(i.e., 脳波・fMRI)を用いる認知神経科学の3つの視点から,アイデンティティを支える日常的行動,遺伝・環境要因,脳内機序をそれぞれ解明し,その知見を活用しながら,4. 手紙往信法を用いたアイデンティティを支援する方策を検討することを目的としている。この目的を達成するために、今年度は特に1, 2, 4のグループで研究を推進した。1のグループでは、オンラインリサーチ会社に委託し、2週間における経験サンプリングデータを収集し、得られたデータの解析を行った。得られた結果から、全般的レベルのアイデンティティと日常レベルのアイデンティティおよび感情が関連することが明らかになった。2のグループに関しては、オンラインリサーチ会社に委託し、一卵性、二卵性双生児データを収集し、解析を行った。得られた結果から、アイデンティティ、心理的健康における遺伝環境分散の割合が明らかになった。3のグループに関しては、脳機能計測とアイデンティティとの関連についての資料収集および理論的関連性について検討を行った。4のグループに関しては、手紙往信法の実施がアイデンティティの向上に関連するか予備的に検討した。得られた結果は、手紙往信法はアイデンティティの上昇に顕著な効果を示していなかった。この結果をもとに次年度に向けた手紙往信法の改善策について検討した。これらの成果は、アイデンティティを支える基礎的なデータおよび支援の方策を開発する上で意義のある知見であり、第34発達心理学会の自主シンポジウムにおいて報告された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度の計画に関して、1のグループは経験サンプリングデータの種集およびデータの解析を行うこと、2のグループは双生児データの収集およびデータの解析を行うこと、3のグループはアイデンティティと脳機能との理論的関連について文献に基づき検討すること、4のグループは手紙往信法のアイデンティティへの影響を予備的に検討することであった。これらの目的は全て達成されており、概ね順調に研究が進展している。

今後の研究の推進方策

2023年度の研究計画は以下の通りである。グループ1およびグループ2は、2022年度に得られた成果を論文にまとめ、国際誌に投稿する。グループ3は引き続きアイデンティティと脳機能との関連について文献に基づき検討し、次年度の調査に向けて準備する。グループ4は2022年度の成果を論文にまとめ、国際誌に投稿するとともに、本調査を実施し、成果をまとめる。これらの計画は全て予定通りであり、研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での問題はない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [国際共同研究] University of Bologna(イタリア)

    • 国名
      イタリア
    • 外国機関名
      University of Bologna
  • [国際共同研究] University of Leuven(ベルギー)

    • 国名
      ベルギー
    • 外国機関名
      University of Leuven
  • [国際共同研究] Utrecht University(オランダ)

    • 国名
      オランダ
    • 外国機関名
      Utrecht University
  • [雑誌論文] Direction of associations between personality traits and educational identity processes: Between‐ and within‐person associations2022

    • 著者名/発表者名
      Hatano Kai、Hihara Shogo、Sugimura Kazumi、Crocetti Elisabetta
    • 雑誌名

      Journal of Adolescence

      巻: 94 ページ: 763~775

    • DOI

      10.1002/jad.12062

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Daily Identity Processes and Emotions in Young Adulthood: a Five-Day Daily-Diary Method2022

    • 著者名/発表者名
      Hatano Kai、Luyckx Koen、Hihara Shogo、Sugimura Kazumi、I. Becht Andrik
    • 雑誌名

      Journal of Youth and Adolescence

      巻: 51 ページ: 1815~1828

    • DOI

      10.1007/s10964-022-01629-x

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 全般的なアイデンティティと日常的なアイデンティティ,感情,ライフイベントとの関連:2週間の日誌法を用いた検討2023

    • 著者名/発表者名
      畑野快、日原尚吾、杉村和美
    • 学会等名
      日本発達心理学会第34回大会
  • [学会発表] アイデンティティ研究の発展に向けて:発達メカニズムの解明と支援の方策を探る2023

    • 著者名/発表者名
      畑野快、川本哲也、中尾 敬、高村真広、杉村和美、千島雄太、遠藤利彦
    • 学会等名
      日本発達心理学会第34回大会

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公開日: 2023-12-25  

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