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2022 年度 実績報告書

疲労時のパフォーマンス・ブーストを可能にする心理学的・神経科学的メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 22H01109
配分区分補助金
研究機関公益財団法人東京都医学総合研究所

研究代表者

中山 義久  公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳・神経科学研究分野, 主席研究員 (30585906)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード機能的MRI / 疲労 / 運動野 / 縫線核 / モノアミン
研究実績の概要

競走や競泳のラストスパートや仕事の残業などでは、疲労を感じパフォーマンスが低下してきた場合であっても、パフォーマンスのレベルを維持したり、より高めることが必要となる。このような「疲れていても頑張らないといけない状況」では、頑張り、努力、根性といった心理的なエフォートによってパフォーマンスを押し上げる「ブースト」がなされると考えられるが、このようなパフォーマンスのブースト効果を生み出す心理学的あるいは神経科学的メカニズムについてはわかっていない。本研究では、「中脳のモノアミン神経核が心理的エフォートの程度を表現し、その活動を高めることでパフォーマンス・ブーストを実現する」という仮説を検証する。そのために、1) 自発的に心理的エフォートを生み出すメカニズムと、2) 他者や報酬等の外的な要因が心理的エフォートに影響するメカニズムについて、行動実験と脳機能イメージング実験により解明する。
本年度は、まず本研究全体の土台となる疲労状況からパフォーマンスの低下とブーストを検討できる実験課題を作成し、予備実験を実施した。課題画面上に現在の握力と目標の握力(各個人の最大握力の40%または90%)を示す2本のバーを提示し、実験参加者はバーが出ている間はできるだけ目標の力を維持できるように手元のグリップを握り続けることを求められた。その結果、40%の握力を維持する条件では実験が進んでも力の減弱は見られないこと、また90%の握力を維持する条件では、実験が進むにつれて発揮できる握力は低下するという結果が得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は予備実験を実施し、研究全体の土台となる実験パラダイムの作成に成功している。また、次年度以降の実験を実施するための機器類のセットアップを行った。

今後の研究の推進方策

次年度は、予備実験で確立されたパラダイムを発展させ、自発的なパフォーマンス・ブーストを実現できるパラダイムを作成する。その後、行動実験を実施し、パフォーマンスのブースト効果を引き起こす際の皮膚電位反応、容積脈波、心電図などの生理指標の測定を実施する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The dorsal premotor cortex encodes the step-by-step planning processes for goal-directed motor behavior in humans2022

    • 著者名/発表者名
      Nakayama Yoshihisa、Sugawara Sho K.、Fukunaga Masaki、Hamano Yuki H.、Sadato Norihiro、Nishimura Yukio
    • 雑誌名

      NeuroImage

      巻: 256 ページ: 119221~119221

    • DOI

      10.1016/j.neuroimage.2022.119221

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] The ventral midbrain commonly representing approach and avoidance motivations encodes future force generation.2022

    • 著者名/発表者名
      Sugawara SK, Nakayama Y, Yamamoto T, Hamano YH, Fukunaga M, Sadato N, & Nishimura Y
    • 学会等名
      51st annual meeting of the Society for Neuroscience
    • 国際学会
  • [備考] 公益財団法人 東京都医学総合研究所 脳機能再建プロジェクト

    • URL

      https://neural-prosthetics.jp/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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