現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画ではWeyl群の非可換表現から導いた量子曲線についての研究(特にスペクトル等)を主要課題としていた。Shakirovの結果も包括するべく戦略を一部変更したことにより、より広い観点から問題が捉えられるようになった。その方向の研究は順調に進展中であり、Shakirov方程式に関する以下の結果を得た。(1) Shakirovの方程式はJimbo-Sakaiのq-変形パンルヴェVI型方程式の長谷川による量子化と等価である。(2) 方程式の背景にaffine D5型affine Weyl群の非可換変数による表現がある。(3) 自励的な場合に保存量が存在し、保存量が期待される量子曲線と一致する。(4) 方程式の形は微分の場合(4dゲージ理論に対応)と大きく異なりqを1にする極限は非自明であるが、その極限を適切にとることができて微分の場合の結果を正しく再現する。さらに、AGT対応、微分の場合の結果、計算機実験等に基づいて、Shakirov方程式の級数解が5次元ゲージ理論の分配関数で表されることを予想し定式化した。これらは次の論文としてarXivに発表し専門誌に投稿中である。 H.Awata, K.Hasegawa, H.Kanno, R.Ohkawa, S.Shakirov, J.Shiraishi, Y.Yamada, ``Non-stationary difference equation, affine Laumon space and quantization of discrete Painlev\'e equation" [arXiv:2211.16772]
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