研究課題/領域番号 |
22H01118
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岡田 拓三 九州大学, 数理学研究院, 教授 (20547012)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | ファノ多様体 / del Pezzo曲面束 / 双有理剛性 / K安定性 / 有理性問題 |
研究実績の概要 |
2022年度は、3次元ファノ多様体の双有理剛性に関する研究を行なった。双有理剛性を示す際に重要な役割を演じる4n^2-不等式と呼ばれる不等式がある。これは、3次元多様体上の可動線形系の2つの一般因子の交叉として得られる1サイクルの、非特異点における重複度に関する不等式である。この不等式を適用することで、これまでに多くの3次元非特異ファノ多様体の双有理剛性が示されてきている。2022年度は、Krylov、Paemurru、Parkらとともに、このような不等式を、特異点を持つ場合に拡張する研究を行なった。結果として、この類の不等式をcA_1型端末特異点での重複度に関するものへと一般化することに成功した。さらに、得られた不等式を適用することにより、cA_1型特異点を持つ種々の3次元ファノ多様体や次数1のdel Pezzo曲面束の双有理剛性を示すことができた。(通常2重点以外の)cA_1型特異点を持つ3次元多様体の初めての例が与えられたことになる。
また、2022年度には、Cheltsov、藤田、岸本らとの共同研究により、特定の3次元ファノ多様体のK安定性を証明した。これは、いわゆるAbban-Zhuang手法を用いて当該ファノ多様体の局所安定性閾値を下から評価することで証明を行った。
さらに、2022年度には、本研究課題の主要な研究目的の1つである「3次元重み付きファノ多様体の双有理堅牢性を完全に決定する目的」の研究に着手した。2022年度中に解決はできていないものの、部分的な結果を得るなど研究は着実に進展している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度において、線形系の一般メンバーの交叉サイクルのcA_1型特異点での重複度に関する不等式を確立できた。さらに、実際にこれを応用することでcA_1型特異点を持つ種々の3次元多様体の双有理剛性を示した。これは双有理剛性関連の研究において大きな進展である。また、本研究課題の主要目的の一つである、「3次元重み付きファノ超曲面の双有理堅牢性の完全決定」という問題に対して部分的成果を得ることができた。このような理由により、進捗状況は順調であると言える。
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今後の研究の推進方策 |
順調に進展しているため、当初の予定通りに推進させたい。ただし、当初計画によって2023年度に開催する予定であった国際研究集会は諸般の都合により2024年度に延期する。
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