今後の研究の推進方策 |
2次元量子スピン系について以下を行う:1.Gapped boundary について得られた結果をGapped domain wallに拡張する.Gapped domain wallについてはさまざまな数学的構造があると予想されており, 圏論の知識を深めながらそれを行う. 2.エニオンは低エネルギー励起であるが,(場の理論による対応する状況から)それが有限種類のみである場合はより深い数学的理解が可能であると想像される.この状況の解析を行う.また,どのような時エニオンが有限個となるのか理解を深めたい.3.Stable gapped boundaryはirreducible moduleによって与えられると信じられているが,実際に対応するミクロな設定からこれら二つを結びつける結果は得られていない.これを我々のsuperselection sectorの枠組みの中で示す.4.symmetry enriched topological orderと呼ばれるトポロジカル相に対称性を課したものの分類問題を考える. 対称性によって,エニオンのpermutationが起こり、さらにfractionalizationと呼ばれる現象が起こると言われている.これまでの研究である設定の下ではpermutationは起こらず,fractionalizationのみが起こることはわかった.これをpermutationがある場合に拡張する. 5. PEPSとよばれるtensor networkのモデル群で一般にsuperselection sectorを導出する枠組みを開発する.6. Chiral central charge をgapped ground stateから導出する.
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