研究課題/領域番号 |
22H01210
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
豊田 浩孝 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70207653)
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研究分担者 |
鈴木 陽香 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (80779356)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 弱減圧プラズマ / マイクロ波プラズマ |
研究実績の概要 |
従来の真空容器や排気システムを必要とする減圧プラズマは,処理対象物が真空内に持ち込まれるため大気環境でしか用いることのできない処理対象物に対応できない,応用範囲が限られる,といった課題があった.これに対し大気圧プラズマはこれらの制限から解放される点で大きな 利点がある一方で,プラズマ生成そのものが困難であるという問題を抱えている.本研究は,高速流体を用いた弱減圧形成によりプラズマ生成 を易化するとともに,大気圧環境下に置かれた処理対象物を高効率で処理できる手法を開発することを目指し,弱減圧プラズマの利点を明らか にし,処理の高効率化の指針を得ることを目的とする. 昨年度までの研究において,減圧効果の発現とプラズマ生成に成功しているが,導入するガス流量が大きく,簡便性を考えるとより低流量で効率的に減圧環境を生成することが好ましい.そこで,本年度は流路構造のさらなる改善を試みた.流路構造を検討するにあたりまず流体シミュレーションによる検討を進めたが,必ずしも実際の結果を反映するものが得られるとはいえない.一方で,流路を製作するには加工が非常に困難であり,また多数のモックアップ製作に時間とコストがかかる.そこで,本研究では3Dプリンタを用いて様々な構造の流路を試作し,その減圧効果を比較することによって,最適構造を求めた.その結果,22L/minの空気において,従来と比較し圧力を50%以上減圧化することに成功した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
効率的な減圧環境生成は実験の遂行にとって重要な意味を持つ.本年度の研究は減圧環境の効率的形成実現を目指して,新たに3Dプリンタを用いた試作という手法に着眼し,その実験をおこなった.その結果として大気圧の20%を切る減圧環境形成に成功することができた.我々の理論的検討によれば,放電圧力を大気圧に対して20%とすることにより,絶縁破壊電界は同様に20%に抑制でき,そのことは絶縁破壊時の電力を数%まで抑制できることになる.実際に,改善された環境においてマイクロ波放電をおこなったところ,従来よりも低電力で安定にプラズマを生成することに成功している.また,この装置を用いた表面親水化処理をおこなったところ親水性発現がなされることも確認しており,本研究は比較的順調に進行していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究によって安定した弱減圧プラズマ生成に成功していることから,本年度は本プラズマ源の応用展開について検討する.具体的には様々な産業分野で用いられている粉体表面処理に着目し,粉体親水化処理への応用展開可能性について検討をおこなう.具体的には研究代表者が現有している粉体供給装置を用い,ガス流路に高速空気流を流すとともに,そこに粉体を混合させプラズマ領域を通過させる.この結果得られる処理粉体について,接触角計などを用いた親水化効果の確認をおこない,本装置の応用可能性を明らかにしていく.
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