| 研究課題/領域番号 |
23K22513
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| 配分区分 | 基金 |
| 研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
時安 敦史 東北大学, 先端量子ビーム科学研究センター, 助教 (40739471)
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| 研究分担者 |
宮部 学 東北大学, 先端量子ビーム科学研究センター, 助教 (10613672)
藤岡 宏之 東京科学大学, 理学院, 准教授 (30513395)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| キーワード | ストレンジネス核物理 |
| 研究実績の概要 |
本研究は、J-PARCハドロンホールK1.8ビームラインで計画されている、ホウ素標的を用いた(K^-,K^+)反応によるΞハイパー核探索実験に向けた検出器開発を目的とする。世界最大強度のK^-ビームと高分解能スペクトロメータS-2Sを用いて質量欠損分布を精密に測定し、二重ストレンジネスを持つΞハイパー核の束縛状態の存在を調べる。収量向上のため標的厚を増す設計とし、それによる分解能劣化は、崩壊粒子の飛跡情報から生成点を同定することで補う。トラッキングには100×100 mm^2のシリコンストリップセンサーを用いた飛跡検出器を開発し、粒子がヒットした位置情報はAPVチップおよびAPV-DAQシステムを用いてで読み出す。製作した飛跡検出器の性能評価を行うクリーンブーステストベンチを用意する。性能評価では、最適な動作電圧を調査した後、複数の検出器を組み合わせて宇宙線による位置分解能や信号対雑音比を測定する。またマルチヒットへの解析手法も開発を行う。また、東北大学先端量子ビーム科学研究センターにて、陽電子ビームを用いた分解能評価や中性子ビームによる放射線耐性試験も予定している。本研究により、Ξ粒子と中性子、さらにΞ-α相互作用の性質を明らかにでき、ハドロン間相互作用の理論構築に資する基礎データが得られると期待される。特にΞ粒子を含む多体系の理解は、中性子星内部の状態方程式やストレンジマターの構造にも関係し、宇宙物理との接点を持つ。また、本開発検出器は将来的な他のハイパー核実験への応用も視野に入れて設計されており、柔軟な読み出し系統と高耐放射線性を兼ね備えた拡張性の高い基盤技術となることを目指している。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、S-2Sスペクトロメータを用いたグザイハイパー核生成実験がJ-PARCにて開始され、炭素標的を用いた(K^-,K^+)反応による初期データ取得が行われた。これに合わせて、グザイハイパー核から放出される崩壊粒子の飛跡検出と位置同定を目的に、100×100 mm^2のシングルストリップ型シリコン検出器とAPVチップを用いた飛跡検出器の開発を行った。データ取得には汎用的に利用されているAPV-DAQを導入しているが、得られた波形情報を基にしたオフライン解析により、位置分解能やタイミング特性の検証を進めている。また、円安の影響でホウ素10標的材料の調達に課題が生じたため、Geant4ベースの実験シミュレーションを行い、標的作成のための粉末必要量や照射時間の再検討を行い、効率的なビーム利用戦略を模索している。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は、まず製作した検出器の性能評価を完了させ、東北大学の加速器施設にて陽電子ビームを用いた位置分解能測定および中性子ビームによる放射線耐性試験を行う。評価結果をもとに必要な改良を加え、S-2Sスペクトロメータに適合した最終構成にまとめていく。さらに、既存のデータ収集系であるAPV-DAQの生産終了を踏まえ、将来的な高レート対応を視野に入れた新たなデータ取得系の導入・開発も検討中である。また、得られたデータを解析し、グザイハイパー核の生成断面積や束縛エネルギーの再現性、感度評価を通じて次段階の本格的なビームタイム提案につなげる。J-PARCハドロンホール内の全体的なビーム利用状況や他実験との調整を踏まえ、実施時期と実験期間等の戦略を検討する。併せて、INFNとの国際共同研究枠組みの構築も視野に入れて研究を推進する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
現在J-PARC K1.8ビームラインで本課題で用いるスペクトロメータを用いた実験が実施中である。本課題の検出器較正、情報収集のため実験に参加する予定であったが、今年度の実験スケジュールが当初予定から変更になったため、急きょ参加できなくなった。 旅費相当3回分程度を次年度に使用し、同実験に参加する。また検出器の納期が当初予定より遅れたため検出器のテストを行うテストベンチ製作も次年度に持ち越すことになった。 これは、次年度にデータ収集回路などを製作する。
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