研究課題/領域番号 |
22H01275
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
大橋 聡史 国立天文台, アルマプロジェクト, 特任助教 (50808730)
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研究分担者 |
玉内 朱美 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (50850921)
坂井 南美 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (70533553)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 惑星形成 / 原始惑星系円盤 / ダスト成長 |
研究実績の概要 |
惑星の形成は星間空間にある、およそ0.1ミクロン程度の固体微粒子が、原始惑星系円盤において互いに付着を繰り返し、成長する過程と捉えることができる。固体微粒子のミクロな付着過程は理論的に示唆されており、衝突によって付着や破壊などの様々な結果が予想されている。固体微粒子が付着をするという仮定のもとで固体微粒子の付着成長シミュレーションが盛んに行われており、惑星サイズまで至る条件が予想されている。 しかしながら、実際に固体微粒子が付着する様子を捉える実験は少なく、特にミクロン以下のサイズでは、どのような衝突をするのか、実験室において確かめられた例は少ない。 本研究では、実験室実験によってエアロゾル中で固体微粒子の衝突する様子を高速度カメラによって捉え、付着や破壊が起こる条件を明らかにする。実験室の結果を惑星形成に適用することで現実的な惑星形成シナリオを提案できることが期待できる。 空調設備の不具合や世界情勢などの影響で実験装置のセットアップに時間はかかりはしたが、独自に設計したガスセルの中でエアロゾルジェネレーターから発生したエアロゾルを高速度カメラで運動する様子を捉えることに成功した。 2022年度は、最初のステップとして、撮影しやすい5ミクロンのシリカ微粒子を用いて付着実験を行い、互いに衝突、付着する様子を捉えることに成功した。また衝突速度は10cm/s程度と見積もることができ、実際の原始惑星系円盤の衝突速度とほぼ一致することを確認できた。 衝突によって付着したが、その衝突過程は正面衝突ではなく斜め衝突であることも確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画当初は想定していなかった、実験室の空調設備の不具合が見つかり、空調フィルターの交換などの実験室のセットアップに時間がかかった。また、新型コロナウィルスやウクライナ情勢、近年の円安などの影響も受け、実験器具や固体微粒子の購入に手間取った。
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今後の研究の推進方策 |
当初より遅れることにはなったが、実験装置のセットアップが完了し、実際にエアロゾル中で微粒子が衝突する様子を捉えることにも成功するようになった。今後は、実験を繰り返し行うことで統計的に意味のあるデータを揃えることを目標とする。
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