研究課題/領域番号 |
22H01304
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
梅田 浩司 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (60421616)
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研究分担者 |
角野 浩史 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90332593)
前田 拓人 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (90435579)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 希ガス同位体 / 炭素同位体 / 低周波地震 |
研究実績の概要 |
低周波地震は地下深部でのマグマの移動・蓄積や噴火に至る準備過程など反映している地球物理学情報である.一方,マグマから放出されるガスのうち化学的に不活性なヘリウムのフラックスが噴火前には大きくなることが知られており,マグマ活動を捉える上での有効な地球化学的な情報と考えられる.しかしながら,これまで両者を同時に観測したり,その関係についてあまり議論が行われてこなかった.本研究では,北海道亀田半島沿岸を対象に低周波地震の観測を継続するとともに,気象庁一元化震源カタログからMatched filter 法によって低周波地震を検出することにより,過去から現在までの低周波地震の活動状況やその時間推移を把握する.また,震源域の温泉ボーリングを利用してへリウム・炭素同位体をモニタリングすることにより,マントル起源物質の上昇フラックスの変動と低周波地震の活動状況(時空間変化)の関係を明らかにする.その上で,気象庁が常時監視・観測を行っている50の活火山以外にも適用できる,簡便かつ安価な新たな火山モニタリング手法を提案する.2022年度は地球化学モニタリングサイト(渡島半島湯の川温泉井)において毎月1回程度の試料(遊離ガス,温泉水)の採取を行うとともに,希ガス同位体,炭素同位体(二酸化炭素),温泉水の主要溶存成分の分析を行い,これらの変動を観測を継続している.これまでに約2年半の観測データを蓄積した.また,気象庁一元化震源データからモニタリングサイト周辺の低周波地震のデータの抽出を行い,発生頻度や深度の時系列データセットを作成した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地球化学モニタリングサイト(渡島半島湯の川温泉井)において毎月1回程度の試料(遊離ガス,温泉水)の採取を行うとともに,希ガス同位体,炭素同位体(二酸化炭素),温泉水の主要溶存成分の分析を行い,これらの変動を観測を継続している.これまでに約2年半の観測データを蓄積した.また,気象庁一元化震源データからモニタリングサイト周辺の低周波地震のデータの抽出を行い,発生頻度や深度の時系列データセットを作成した.
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き,地球化学モニタリングサイト(渡島半島湯の川温泉井)において毎月1回程度の試料(遊離ガス,温泉水)の採取を行うとともに,希ガス同位体,炭素同位体(二酸化炭素),温泉水の主要溶存成分の分析を行い,これらの変動を観測する.弘前大学の地震観測網による低周波地震の観測および気象庁一元化震源カタログを利用したMF法による低周波地震の検出を行う.その上で,マントル起源物質のフラックスの変動と低周波地震の活動状況やその時間推移にどのような相関があるかを検討する.さらに,北東北の活火山について同様な観測・解析を実施するための,サイトの選定を実施する.
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