研究課題/領域番号 |
22H01335
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
原田 靖 東海大学, 海洋学部, 講師 (00366064)
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研究分担者 |
宗林 留美 静岡大学, 理学部, 准教授 (00343195)
佐柳 敬造 東海大学, 海洋研究所, 准教授 (40332308)
生田 領野 静岡大学, 理学部, 准教授 (60377984)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | えい航ブイ / 音響測距 / GNSS-音響結合方式 / 琉球海溝 / 宮古島 / プレート境界 |
研究実績の概要 |
2022年度、海底局の納品遅延により遅れていた海底局の宮古島南沖海域への投入を2023年度に実施し、一回目の測位を行った。 海底局の投入は宮古島南方沖、琉球海溝から約30kmの宮古深海平坦面上に設置した。海底局の一回目の測位を開発したえい航ブイを用いて12時間かけて行い、高品質の音響測距データを得た。この音響測距データをえい航ブイのGNSSデータ、ジャイロコンパスのデータとあわせて解析して海底局位置を得た。今後プレート境界の固着の有無を反映した海底局の移動を監視する上で、最初の基準位置が十分な精度で得られた。 宮古島沖海域への海底局の投入および測位は、民間の漁船をチャーターして行った。現地へのブイの輸送・船に積載しての現場海域への移動・えい航による海底局測位を通して、作成したブイの汎用性と頑健性の高さを確認できた。えい航ブイのえい航性能、得られたデータの品質は申し分なかったが、現状の25kgという重量は揺れる船の上で1-2名で扱うにはまだ重く、「安価でかつ誰が実施しても高品質のデータを取得できるシステム」として、さらなる軽量化、小型化が有効であることを確認した。 このため、申請者の拠点である駿河湾において実海域実験を繰り返し、ブイの改良に取り組んだ。この結果より軽く、安定した姿勢でえい航できるブイが完成しつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に生じた海底局の納品の遅延により、海底局の海域への投入が先送りになり、この分すべての観測計画が後ろにずれたため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究はGNSS-音響結合方式による海底地殻変動観測のためのえい航ブイシステムの開発と、宮古島南方沖のプレート境界の固着の有無の観測の両輪からなる。えい航ブイシステムは初回の観測を経ていくつかの要改良点が見つかったため今後追求し、改善する。それは以下の3点である。1.船上で1-2名で扱うにはブイがやや重い点、2.曳航時に左右に姿勢が傾きやすい点、3.ジャイロコンパスへの電源供給が不安定な点。 宮古島南方沖における観測については、初回の海底局位置が定まったため、この点を基準とし、次年度以降、繰り返し測位を行って位置の変化を調査する。予算の制約上、年1回ずつの観測を行い、事業期間全体で合計3回の海底局測位を行って移動速度を見積もる。
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