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2022 年度 実績報告書

クラスタービーム原子層エッチングと照射位置制御を用いた超高精度形状創成

研究課題

研究課題/領域番号 22H01378
配分区分補助金
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

豊田 紀章  兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (00382276)

研究分担者 寺岡 有殿  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光科学研究所 放射光科学研究センター, 専門業務員 (10343922)
竹内 雅耶  兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (70889683)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードガスクラスターイオン / 原子層エッチング / 位置制御 / 高精度加工
研究実績の概要

半導体デバイスや光デバイスの微細化・高精度化や高精度光計測の進展に伴い,原子レベルの高精度形状創成技術への要求が高まっている。これまで,低損傷で平坦化効果を有するガスクラスターイオンビーム(GCIB)の照射位置と、各位置での照射量(時間)を制御することで,各位置における最適な除去量を実現し、高精度な形状創成が可能な技術として開発を進めてきた。一方、この手法では除去量が照射時間に依存するため、オーバーエッチングが生じる恐れがある。そこで本研究ではGCIBによる除去量を、イオン照射量(照射時間)ではなく、原子層エッチングのサイクル数で制御することにより,オーバーエッチングの問題を解決することを目指す。2022年度は、GCIB照射と反応性分子の表面吸着を用い、SiO2薄膜への原子層エッチングを検討した。アセチルアセトンや酢酸といった反応性ガスが吸着したSiO2表面に、加速電圧5~10kVのAr-GCIBを照射することにより、SiO2薄膜に対して自己停止するエッチングが可能であることが分かった。また、大きさ1mm程度の小孔をビーム領域に対してスキャンすることによりGCIBのイオン電流分布を測定した結果、GCIBのビーム形状と、原子層エッチングによるSiO2薄膜の除去量に違いがあり、イオン照射量分布にかかわらずALEのサイクル数に依存したエッチングが可能であることを示した。これらの結果から、各位置でのGCIBを用いた原子層エッチングのサイクル数を制御することにより、高精度形状創成加工への応用が見込まれる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

GCIBを用いた原子層エッチングと位置制御を用いた高精度加工はこれまで行われておらず、初めての試みである。初年度の成果としてジケトン分子とGCIB照射を用いた原子層エッチングの条件を示すとともに、位置制御と原子層エッチングを組み合わせたSiO2薄膜の高精度加工の可能性を見いだした。このことから、概ね順調に進んでいると考えている。

今後の研究の推進方策

2023年度は、GCIBによる原子層エッチングのメカニズムを検討するため、X線光電子分光測定装置とGCIB照射装置を組み合わせた装置を用いる。また金属膜の高精度加工を行うため、GCIBによる原子層エッチングの深さを蛍光X線で測定する。また、各材料に最適な吸着ガスの選定を予定している。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Surface preparation of metal films by gas cluster ion beams using organic acid vapor for Cu?Cu bonding2022

    • 著者名/発表者名
      S. Hanahara、M. Takeuchi、N. Toyoda
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Applied Physics

      巻: 61 ページ: SF1004~SF1004

    • DOI

      10.35848/1347-4065/ac5424

    • 査読あり
  • [雑誌論文] クラスターイオンビーム励起による表面反応と原子層エッチングへの応用2022

    • 著者名/発表者名
      豊田 紀章
    • 雑誌名

      光技術コンタクト

      巻: 60 ページ: 23

  • [学会発表] O 2 -GCIBとアセチルアセトンによるSiNx膜原子層エッチングプロセスの反応機構の検討2023

    • 著者名/発表者名
      竹内雅耶、藤原怜輝、山下大晴、豊田紀章
    • 学会等名
      2023年第70回応用物理学会春季学術講演会
  • [学会発表] 反応性ガス吸着とO 2 -GCIBを用いたNiパターンエッチング2023

    • 著者名/発表者名
      作田昂大、竹内雅耶、豊田紀章
    • 学会等名
      2023年第70回応用物理学会春季学術講演会
  • [学会発表] 窒化シリコン膜の低損傷かつ原子層制御を実現するGCIBエッチングプロセスの検討2022

    • 著者名/発表者名
      竹内雅耶、藤原怜輝、豊田紀章
    • 学会等名
      2022年第83回応用物理学会秋季学術講演会
  • [学会発表] 窒化シリコン膜へのGCIB照射による低損傷照射効果の検討2022

    • 著者名/発表者名
      竹内雅耶、藤原怜輝、豊田紀章
    • 学会等名
      2022年第83回応用物理学会秋季学術講演会
  • [学会発表] 位置制御とGCIB-ALEを用いた高精度形状加工技術の検討2022

    • 著者名/発表者名
      藤原怜輝、竹内雅耶、豊田紀章
    • 学会等名
      2022年第83回応用物理学会秋季学術講演会
  • [学会発表] O2-GCIBとacac吸着によるNiパターンのエッチング2022

    • 著者名/発表者名
      作田昂大、竹内雅耶、豊田紀章
    • 学会等名
      2022年第83回応用物理学会秋季学術講演会

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公開日: 2023-12-25  

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