研究実績の概要 |
エネルギーの高効率変換または高度利用技術には,固液気界面を介した巨視的凝縮・蒸発・沸騰など相変化現象に深く関わる.一方,ナノ・マイクロ技術の進展で対象系の代表寸法が小さくなると伝熱面の性状による界面抵抗の効果が相対的に増加する(Nagayama et al., Sci. Rep., 2017).本研究では,固液気界面における界面抵抗を考慮した微視的熱・物質輸送モデルを構築することを目的とする. 今年度は,前年度に続き,マイクロ微細加工技術でナノ構造面,マイクロ構造面およびナノ・マイクロ階層構造面を作製した.高分解能赤外線カメラを用いて,基板表面に静的および動的(蒸発)状態にある純水液滴を測定した.液滴の上面測定より気液界面の形状および表面温度,基板裏面測定より固液界面の形状を測定し,熱解析に必要な境界条件を取得した.取得した熱解析に必要な境界条件を用いて,蒸発を伴う液滴の熱流体解析を行った.異なる濡れ性および界面構造を持つ基板における界面抵抗を考慮した場合と考慮しない場合の結果を実験結果と比較検討し,固液気三相界面がの影響を明らかにした.さらに,独自の計算コードと分子動力学計算ソフトウェアLAMMPSの両方を用いて,異なる濡れ性および界面構造を持つ基板上の液滴・液膜を解析した.
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