研究課題/領域番号 |
22H01423
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
繁富 香織 北海道大学, 大学院教育推進機構, 准教授 (90431816)
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研究分担者 |
上原 隆平 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (00256471)
堀山 貴史 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (60314530)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 折紙工学 / 細胞折紙 / 計算折紙 / 再生医療 / BioMEMS |
研究実績の概要 |
近年、「折り」を基本とし、立体の形状を作る際に必要となる幾何学の問題を計算によって求める「計算折紙」と呼ばれる分野が大きな発展を遂げている。本研究では、この計算折紙の技法を細胞レベルで実装することで、2次元平面の膜状に培養した細胞を折り紙のように折り畳み、狙ったミクロな立体を効率よく形成する方法を確立する。さらに、その小立体をブロックのように組み立てて、細胞数個規模の大きさの立体から、より大きな立体を構築することを狙う。日本人が小さい頃から親しんでいる折り紙や積み木と申請者らの得意とする細胞工学や計算折紙と融合することにより、世界に先駆け、再生医療分野での全く新しいものづくりの方法を確立する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで、細胞の牽引力を用いて、培養基板(展開図)を折り畳むことで、細胞の立体構造を構築する「細胞折紙」技術を開発した。令和4年度では、細胞折紙技術を用いて切頂8面体立体を作製した。切頂8面体では、折り畳まれた際に空間(穴)ができしまうが、細胞が立体の外に飛び出したり、型くづれすることなく立体を保つことができることが確認された。 小立体をブロックのように組み立て、細胞数個規模の大きさの立体からさらに大きな規模の立体を構築する際に、繊細なコントコントールが出来なくても、組み立てる際にブロックがずれたり、崩れたりしない最適な小立体の形状を検討する必要がある。そこで、令和5年度は、小立体の候補として、11種類の展開図を用いて切頂8面体を作成することに成功した。さらに、折り畳まれて小立体の内にいる細胞は、マイクロプレートの隙間から手を伸ばし、他のブロックと接着し大きな構造体を構築することができることを確認された。 以上のことより、令和4年度の繰越金額も含めて令和5年の終わりで遅れを取り戻すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
小立体をブロックのように組み立て、細胞数個規模の大きさの立体からさらに大きな規模の立体を効率よく構築する方法を検討する。具体的には、i) 自己組立法、ii) パターン基板による組立法: ガラス基板に細胞が手を伸ばして動ける箇所を作ることにより制御された形状へと細胞自身が動いて構造を組み立てる方法、iii) ロボットによる自動組立法:マイクロサイズのピンセットとマニュピレーターをプログラムすることで、自動的な組み立てが装置を作製する方法である。繊細なコントコントールが出来なくても、組み立てる際にブロックがずれたり、崩れたりしないようにブロックが空間を充填できる方法を確立する。
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