研究課題/領域番号 |
22H01425
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
土屋 健介 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (80345173)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 顕微鏡 / マニピュレータ / 力センサ / 砥粒加工 / 化学反応 |
研究実績の概要 |
本研究では、機械化学研削加工において砥粒と加工物の界面で何が起きているのか、ということを、電子顕微鏡観察下で単粒加工試験を行うことで実現する。今年度はそのためのシステム構築を行う。システムは、(a)単一砥粒を把持固定するエンドエフェクタ、(b)砥粒の位置および姿勢を制御する多軸マニピュレータ、(c)微小力を多軸で精密計測する力センサ、(d)単一砥粒と加工物の界面を観察する電子顕微鏡、(e)砥粒・加工物・切屑の形状分析および成分分析、(f)加工試験を行う領域の局所環境制御、の6つの機能要素を統合することで構築するが、本年度は前者4機能要素の開発を行った。 (a) 単一砥粒を把持固定するエンドエフェクタ:単一の砥粒は顕微鏡観察下で先端を尖鋭に加工したエンドエフェクタで把持・固定する。本研究で対象とする砥粒は数μm~サブμmレベルであるため、それと同等に微細な先端が必要であった。そのために、電解研磨加工や必要に応じてイオンビーム加工を利用した。 (b) 砥粒の位置および姿勢を制御する多軸マニピュレータ:把持固定された砥粒について、所望の切れ刃を所望の角度で試料を加工する必要があり、そのためにマニピュレータには十分な数の自由度と分解能を有するマニピュレータを試作した。 (c) 微小力を多軸で精密計測する力センサ:本研究では、砥粒加工における主分力、背分力など、微小な力を多軸で計測する必要がある。砥粒サイズから推定して、0.1μNの分解能を有する2軸の力センサを開発した。 (d) 単一砥粒と加工物の界面を観察する電子顕微鏡:単一砥粒と加工物の界面観察には、砥粒サイズが数μm~サブμmレベルであるため、十分な分解能を備える電界放出形走査電子顕微鏡を用いた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに研究開発が進み、想定された成果をあげているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は必要とされる6機能要素のうち、残りの2つ、すなわち、(e)砥粒・加工物・切屑の形状分析および成分分析、(f)加工試験を行う領域の局所環境制御、の機能を実現する装置、環境を整え、試作した試験システムを用いて砥粒加工実験を行う。
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