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2022 年度 実績報告書

弾性率可変型メタストラクチャによる振動系のセミアクティブ制振

研究課題

研究課題/領域番号 22H01426
配分区分補助金
研究機関金沢大学

研究代表者

小松崎 俊彦  金沢大学, フロンティア工学系, 教授 (80293372)

研究分担者 砂田 哲  金沢大学, 機械工学系, 教授 (10463704)
寺島 修  富山県立大学, 工学部, 准教授 (50570751)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードメタ構造 / バンドギャップ / セミアクティブ制御 / 振動制御 / 可変剛性 / 磁気粘弾性エラストマ
研究実績の概要

本研究課題では,構造内を伝播する振動エネルギの透過特性に特異性を持たせることで,特定の振動数帯域で共振状態を生じさせないメタストラクチャ(メタ構造)を,任意の周波数帯域で実現する方法を提案する.まずは物性の固定されたパッシブなメタ構造と,振動が生じない不感帯域との関係性を理論的に明らかにして,外力作用下において実現すべき振動絶縁状態に対するメタ構造の設計方法を確立する.さらに,メタ構造のばね要素に,外部磁場の印加によって弾性率を可変にできる磁気粘弾性エラストマを適用して,セミアクティブに広帯域の振動絶縁が可能なメタ構造を実現することを目的とする.令和4年度は物性の固定された質量,ばねを連結したパッシブな構造(多自由度振動系)を対象に,振動の不感帯域(バンドギャップ)が存在するかどうかについて,理論式に基づく数値計算,および模型装置を用いた実験によって検証した.質量はすべて同一値とし,ばね定数が2種類に異なるばねを,質量ブロックを挟んで1つおきに周期配置して,直列型の並進振動系を構成した.ばね値の組み合わせを3通りに変え,端部質量ブロックに加振器による変位加振入力を与えて周波数応答を計測したところ,いずれの組み合わせについても中心周波数と帯域幅の異なるバンドギャップの存在が確認された.本原理検証結果によって,ばね定数を可変にすればバンドギャップの周波数方向の位置と帯域幅を任意に変更できる可能性が示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究期間初年度には,振動系を構成するばねに特性の固定されたパッシブなものを適用し,ばね定数の異なるばねを周期配置した場合のバンドギャップの存在確認を検討の中心と位置付けていたため,所期の目的はおおむね達成されたと考えている.現時点では計画通りに進んでいると考えているが,初年次のうちに2年目の計画を先取り実施するには至らなかった.

今後の研究の推進方策

令和5年度は,前年度の実験模型において固定ばねを使用していた部分を,磁気粘弾性エラストマを用いた剛性可変ばねに置き換え,バンドギャップ等,振動系の応答特性を任意に変更可能かについて検討する.それと同時に,前年度はコイルばねと金属ブロックからなる多質点系を構成していたものを,軟性のシリコーンゴム内に質量体として金属球が埋め込まれた形式の実験装置に置き換え,同様にバンドギャップの存在帯域と,弾性率を変えた場合の帯域の上下限周波数値や帯域幅の特性について実験ベースで検証する.さらに,剛性違いの
シリコーンゴムと金属球からなる単位構造を周期的に並べたメタ構造と,制振対象と想定するはりや板などの主構造とを連結し,励振入力に対する主構造の振動応答を低減可能かについて,本想定に見合う新たな理論モデルと原理検証装置を構築し,検討を行う.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 剛性可変性を有する動吸振器を用いた集中質量系の波動吸収制御2023

    • 著者名/発表者名
      西村 歩高, 小松崎 俊彦, 松村 雄一
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集

      巻: 89 ページ: -

    • DOI

      10.1299/transjsme.22-00257

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2023-12-25  

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