研究課題/領域番号 |
22H01441
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
新井 健生 電気通信大学, 脳・医工学研究センター, 客員教授 (90301275)
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研究分担者 |
小嶋 勝 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (00533647)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 細胞核インジェクション / マイクロマニピュレーション / 力学刺激 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,細胞核へのインジェクション自動化と細胞核内物質への力学的直接刺激を実現するマニピュレーション技術を確立するとともに,核へのプラスミド等の直接注入や核内物質への力学刺激による生理・病理学的影響評価等のバイオ応用を実現することである.本年度は核への自動インジェクションを実現するにあたり,周辺技術の再検討をまず実施した.現状の技術開発状況から接着細胞の核自動インジェクションについては当課題で取り上げることを見送り,主に浮遊細胞を対象とした核自動インジェクションに集中する方針を立てた. 1.核への自動インジェクション:マウス卵細胞を用いて細胞固定法の探索を行うと共に,固定したマウス卵細胞へのマニュアルインジェクション操作と針挿入過程のモニタリングを同時に行い,これらの検証実験に基づき自動インジェクションのシステム構成法を検討した.なお,卵細胞に対してはガラス針で十分なことが検証できた.また,細胞を自動で固定するためにビジョンによる細胞自動検出と固定法の実験を行った.さらに,単一の細胞を自動把持可能なシステムを構築し, 細胞の固定に成功した. 2.核刺激磁性体ロボット:Helmhortzコイル4つを組み合わせた2自由度磁界制御装置を構築した.スケールモデルの磁性体ソフトロボットを試作し基本動作の確認を行った. 3.バイオ応用検証:大きさが20nm以下の形状の異なる3種類のDNA折り紙ロボットを提案,作成し膜透過性の比較検証を行った.核内刺激に要する薬剤等の化学物質を効率的に核内外へ伝送する形状として,三角錐形状のロボットが適切なことを見出した. また, 細胞を自動把持可能なシステムを用い, 細胞核の特性を評価した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
感染症の影響で海外連携に支障が出たが,繰越によりほぼ計画の成果を得ることができた.成果発表については,関連研究も含め活発に行うことができた.
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今後の研究の推進方策 |
本年度に定めた浮遊細胞への核インジェクションに集中することにより,次年度以降効率的に研究が進捗できると考えられる.
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