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2022 年度 実績報告書

極低渦電流損と高い飽和磁束密度および透磁率を持つ高周波用圧粉鉄心の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22H01466
配分区分補助金
研究機関岐阜大学

研究代表者

尹 己烈  岐阜大学, 工学部, 准教授 (50596020)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード圧粉鉄心 / 鉄損 / 超高密度コア / 低渦電流損 / ナノサイズ絶縁被膜
研究実績の概要

電力用変換材料として100kHz以上の高周波領域で高い磁束密度および透磁率を維持しながら磁気特性を劣化させないようにするために,渦電流の発生を極めて抑制した電力用変換材料を検討しチョークコイルやトランスコイル,パワーインダクタ及びリアクトルとして性能を発揮できる電力用変換材料を確立すること目的とする.
1. 新しい圧粉鉄心の作製工程確立:鉄粉の種類(還元鉄粉、ガスアトマイズ鉄粉、水アトマイズ鉄粉など)および絶縁膜の厚みによって圧粉鉄心の磁気特性が大幅に変化する.したがって,高透磁率・高飽和磁化・極低渦電流損失を持つことが可能になる鉄粉の種類と絶縁膜の厚みを選定する.また作製工程で加えられる高い加工応力は磁気特性(特に直流ヒステリシス特性)の劣化に繋がるので緩和するための熱処理温度を選定する.
2. 物性解明:一般的にはセラミックスと金属の間にバインダーを利用しないと強い結合力が現れないが,事前検討でバインダーを利用せずに強い結合力が現れた.結合力の原因を分析することで絶縁膜の厚みを最適化することができる.事前研究でバインダーを利用せずに鉄心の成型に成功したが,接合メカニズムなどが明確になっていない状況である.セラミック前駆体と鉄粉の質量で計算すると20nm前後になると予測しているが,成型後に圧粉鉄心の形が崩れずに高い密度を保つ理由を解明する必要がある.したがって,岐阜大学で保有しているTEMの回折パターン分析・TEMとEDXの境界面の成分分析・ビッカース硬さ試験などで圧粉鉄心の構造と接合面の成分を解析することで圧粉鉄心の作製工程の確立
を試みる.
3.磁気特性分析:上記で作成した圧粉鉄心の低周波(50Hz)から高周波(100kHz以上)まで磁気特性を分析する.特に直流ヒステリシス損失と渦電流損失を分離することで各周波数別に鉄粉の種類と絶縁膜の厚みが磁気特性に及ぼす影響を分析する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記概要の1と2に関しておおむね計画通り進んでいる。
1. 新しい圧粉鉄心の作製工程確立:鉄粉の種類(還元鉄粉、ガスアトマイズ鉄粉、水アトマイズ鉄粉など)および絶縁膜の厚みによって圧粉鉄心の磁気特性が大幅に変化する.したがって,高透磁率・高飽和磁化・極低渦電流損失を持つことが可能になる鉄粉の種類と絶縁膜の厚みを選定を行った.これはEnergy Reportsに報告した.(https://doi.org/10.1016/j.egyr.2023.02.058.)
2. 物性解明:一般的にはセラミックスと金属の間にバインダーを利用しないと強い結合力が現れないが,事前検討でバインダーを利用せずに強い結合力が現れた.結合力の原因を分析することで絶縁膜の厚みを最適化することができる.事前研究でバインダーを利用せずに鉄心の成型に成功したが,接合メカニズムなどが明確になっていない状況である.セラミック前駆体と鉄粉の質量で計算すると20nm前後になると予測しているが,成型後に圧粉鉄心の形が崩れずに高い密度を保つ理由を解明する必要がある.したがって,岐阜大学で保有しているTEMの回折パターン分析・TEMとEDXの境界面の成分分析・ビッカース硬さ試験などで圧粉鉄心の構造と接合面の成分を解析することで圧粉鉄心の作製工程の確立
を試みた.

今後の研究の推進方策

今年度は概要1の圧粉鉄心の熱処理を試みる。また2の結合メカニズムを解明して報告する予定である。3の高周波特性分析も並行して行う。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Magnetic properties of a high-density iron dust core without binders2023

    • 著者名/発表者名
      Yun Kyyoul、Arai Yuuta、Yoshida Takayuki
    • 雑誌名

      Energy Reports

      巻: 9 ページ: 1~10

    • DOI

      10.1016/j.egyr.2023.02.058

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Magnetic properties of a high-density iron dust core without binders2022

    • 著者名/発表者名
      Yun Kyyoul、Arai Yuuta、Yoshida Takayuki
    • 学会等名
      The 7th International Conference on New Energy and Future Energy Systems (NEFES 2022)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 結合剤を用いない圧粉鉄心の成型に加圧力が与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      横井颯太, 尹 己烈
    • 学会等名
      電気学会マグネティックス研究会
  • [学会発表] Magnetic Properties of Ultra-High density Iron Dust Core without Binder2022

    • 著者名/発表者名
      Kyyoul Yun
    • 学会等名
      Materials Research Society of Korea Fall Conference 2022
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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