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2022 年度 実績報告書

IoTセキュリティ強化のための無線機固有の物理情報を利用した端末識別

研究課題

研究課題/領域番号 22H01487
配分区分補助金
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

上原 秀幸  豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00293754)

研究分担者 宮路 祐一  愛知工業大学, 工学部, 准教授 (50712923)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード端末識別 / 高周波回路 / IoT / セキュリティ / 非線形歪み / ZigBee
研究実績の概要

本研究は、超スマート社会のセキュリティ強化を図るため、IoT (Internet of Things) 機器に搭載されているハードウェアの物理的特性に起因して生じる信号のひずみを利用して、個々の IoT 機器を高精度に識別する手法を開発するものである。開発する手法は、従来のソフトウェア的対策ではなく、高周波回路と通信方式の本質的な情報から数理モデルに基づき特徴量を抽出するものであり、原理的に改変が困難で安全性が高い、低コストで高速動作が可能、通信環境の変化に頑強という特徴をもつ。
初年度は、ZigBee端末に対する識別手法の開発を進めた。我々がこれまでに開発を進めてきた周波数オフセットとIQインバランスを表す特徴量を抽出し、異なるベンダーの2種類のZigBeeモジュールを搭載した端末に対して識別を行い、その有効性を確認した。この成果は電子情報通信学会の総合大会で発表した。さらに、異なるベンダーの2種類の端末が混在した状況で、最大41台の識別に成功した。このとき、ベンダーの識別には100%成功した。この成果は電子情報通信学会の無線通信システム研究会で発表予定である。ただし、これらの成果は実験シナリオが限定的であるため、今後、実験シナリオを複数実施して有効性の検証を進めるとともに、開発した手法の改善を図り、目標とする55台以上での識別実験を行う予定である。また、Wi-Fi端末識別のための調査やシミュレータ開発の準備も同時に進めることができたため,次年度からこれらの開発にも着手する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画していた異なるベンダーの端末が混在する状況での識別に成功したため。ただし、その実験シナリオが限定的で更なる検証が必要である。加えて、Wi-Fi端末識別やシミュレータ開発の準備まで進めることができたため。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策の1つ目は,昨年度に引き続き、ZigBee端末に対する識別手法の開発を進めることである。昨年度の成果として,異なるベンダーの端末が混在する環境に対しても我々が開発した手法が有効であることが示唆された。これを複数の実験シナリオで実施し,目標とする55台以上の端末で有効性を検証する。次の方策は、Wi-Fi端末の識別手法の開発に本格的に着手することである。帯域内全二重通信向けに我々が開発している自己干渉キャンセラの知見を応用する。同時に、シミュレ ータの開発にも着手する。得られた成果は取りまとめて学会発表を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] TWELIETDIPを用いたRF回路の不完全性に基づく端末識別精度の評価2023

    • 著者名/発表者名
      水町航汰, 芳谷伊武希, 松岡翔平, 上原秀幸
    • 学会等名
      電子情報通信学会総合大会
  • [学会発表] 帯域内全二重無線におけるコンパンディングを用いた周波数領域自己干渉キャンセラ2023

    • 著者名/発表者名
      柄澤幸太郎, 山本魁世, 佐藤栄作, 上原秀幸
    • 学会等名
      電子情報通信学会総合大会
  • [学会発表] 帯域内全二重のためのDPDを用いた送信機の非線形化2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤栄作, 小松和暉, 宮路祐一, 上原秀幸
    • 学会等名
      電気・電子・情報関係学会東海支部連合大会

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公開日: 2023-12-25  

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