研究課題/領域番号 |
22H01495
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
岡 和彦 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (00194324)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 偏光計測 / チャネルド偏光計測法 / ハイパー分光 / 分光偏光計測 / 光コヒーレンストモグラフィ |
研究実績の概要 |
近年、ラベルフリーイメージングの実現法の一つとして、偏光を利用したバイオイメージング技術が注目されている。しかしながら、偏光計測装置に内在する様々な制約により、その潜在能力を未だ十分に活かしきれていないのが実情である。そこで本研究では、これらの旧来法の制約の解消と新たな展開を目指し、以前から応募者らが研究してきたチャネルド偏光計測法を用いて、新しい偏光バイオイメージング技術をいくつか提案し実証するとともにその基本特性を明らかにする。 本研究課題では、まず、2枚の高次移相子を用いた偏光感受型光コヒーレンストモグラフィ(PS-OCT)の新しい構成を提案した。この原理では、高次移相子によって試料のJones行列の各成分が異なる光路長を持った光波に変換されるため、干渉計の大部分を単一偏光で構成できる。これにより、干渉計を構成する光ファイバ等に偏光乱れがあってもその影響をほとんど受けずにJones行列の4要素の断層像を独立に測定できる。 また、チャネルド偏光計測法に基づいたハイパー分光偏光顕微鏡の基本原理を提案した。これを用いると、微小物体の偏光特性を、顕微鏡下で波長λと空間座標x, yの両方の関数として測定できる。この原理では、顕微鏡中に回転移相子や液晶偏光変調器等の機械的ないし能動的な偏光制御素子が不要であり、試料の1次元走査等を行うのみでハイパー分光測定が可能であるという特徴を持つ。 これらの新原理について、基礎的な実証実験によりその動作と有効性をおおよそ確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始時に行った予備実験により、一部の原理の測定誤差が想定より過大となることが判明し、実験装置の改定や原理そのものの改変が必要となった。このため当初計画より進捗がやや遅れている。ただし現時点までに、これらの問題を解消できる目処が立ちつつある。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに本研究課題では、上述のように、偏光バイオイメージングへの応用を目指した新しい計測法を提案した。ただしまだ原理検証実験に成功した段階であり、実際に細胞や生体組織の偏光測定に利用する前に計測原理の基本性能の検証や測定精度の向上などを行う必要がある。今後は、これらの課題を解決するために、まずは実証実験の評価を行い、性能を制約する要因を突き止めてその改善を行う。また、一部の計測方法については、さらなる原理の改良が必要であることが判明しているので、これらについても改めて実証実験を進めていく。その後に、これらの原理を実際に細胞や生体組織の試料についての測定へ適用する。
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