研究課題/領域番号 |
22H01528
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
志村 考功 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (90252600)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | シリコンフォトニクス / ゲルマニウム / レーザー / スズ / ゾーンメルト |
研究実績の概要 |
本研究課題は、シリコンプロセスと整合性の高いⅣ族材料でのレーザー光源の実証を目的とする。そのために局所液相成長法にレーザー溶融技術を導入し、引張歪みを有するSn添加Ge材料でのレーザーダイオードの試作と動作実証を行う。局所液相成長法はSiO2基板上に形成したアモルファスGeSn細線を局所的に溶融することで結晶成長を促し、単結晶GeSn細線を形成する手法である。本手法にレーザー溶融技術を導入することで制御性を高め、Ⅳ族GeSn材料でのレーザーダイオードを試作し、室温動作、低しきい値でのレーザー発振を目指す。 これまでは赤外線ランプ加熱炉で単結晶Ge細線の局所液相成長を行ってきた。試料基板下部に部分的にカーボンサセプターを配置することにより試料基板に温度勾配を持たせGe細線を部分的に溶融している。しかし、この手法ではサセプターからの熱伝導を用いているため精密な温度制御が困難であった。そこで、2022年度ではレーザー光照射を用いたGeSn細線の部分溶融による局所液相成長の高度化を進めた。レーザー光を集光照射することでGe細線の溶融している部分を限定しつつ、照射光を細線に沿って走査し結晶成長を促す。本手法はマイクロメータスケールでのゾーンメルト法に相当する。ゾーンメルト法は成長条件を調整することにより、不純物濃度を制御することが可能であり、走査速度等の結晶成長条件とSn組成、歪み量、結晶性等の関係を取得した。本成長法の学問的理解を深めるとともに、デバイス実証に必要な基礎的知見の取得を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験装置の納期の遅れ等があったがおおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度はレーザー溶融結晶化の基礎的知見の取得を行った。2023年度は当初の計画通り、光励起でのレーザー発振を目指す。
|