研究課題/領域番号 |
22H01564
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
國枝 稔 岐阜大学, 工学部, 教授 (60303509)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | あと施工アンカー / 耐久性 / 金属系アンカー / 接着系アンカー |
研究実績の概要 |
2022年度は単独の劣化機構下におけるあと施工アンカーの引抜挙動を実験的に検討した.具体的には,塩害,凍害,ASRによる劣化を生じさせたあと施工アンカー部を対象に静的引抜き試験により耐力を確認することを目的とし,各劣化を生じた供試体の作製ならびに初期値データを取得した. 塩害については,アンカーボルトの腐食による耐力低下に加えて,金属拡張式や金属拡底式については,コンクリートとの接触部における腐食の評価を行うために,塩水噴霧試験機(自作)を用いて,促進腐食試験を開始した.接着系アンカーと金属系アンカーの2種類のアンカーを対象としている. 凍害については,特に金属系アンカーにおいてアンカーボルトとコンクリートの孔壁との隙間に水が浸入し,穿孔部に滞留した水が凍結融解を繰り返すことで,アンカーの固着部のコンクリートが経時的に劣化することを想定している.凍結融解試験を開始し,凍結融解サイクルが100サイクルとなった時点で,引抜試験を実施予定である. ASRについては,コンクリートの劣化が直接的にアンカーの引抜き耐力に影響を確認するために反応性骨材とアルカリ添加によるASR促進試験を開始した.6ヶ月経過時点において,引抜き試験を実施したところ,接着系および金属系のいずれもアンカーも耐力が劣化前に比べて増加した.材齢の経過に伴うコンクリートの強度増加に加えて,鋼管に拘束されたコンクリートが膨張し,拘束効果によりアンカーの固着力が一時的に増加したと推察できる.引き続き劣化が進行した場合の耐力の変化を確認する予定である. 以上のように,耐久性確認のために劣化を再現するため各種促進試験等を開始し,劣化前の初期値および6ヶ月経過後のデータを取得し始めた段階である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究計画にある単独の劣化機構による耐久性の評価を行うため,各種供試体を作製および促進暴露試験等を開始できている.試験方法なども確立しているため,今後定期的にデータを蓄積する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
現時点で研究計画の変更は必要なく,本年度は劣化した供試体に対して疲労試験やクリープ試験を実施し,耐久性の評価を行う予定であり,昨年度に得られた劣化供試体の作製方法の知見および疲労試験等の知見を組み合わせて予定どおりの進捗が得られると考えている.
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