研究課題/領域番号 |
22H01580
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
川村 洋平 北海道大学, 工学研究院, 教授 (40361323)
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研究分担者 |
北原 格 筑波大学, 計算科学研究センター, 教授 (70323277)
澁谷 長史 筑波大学, システム情報系, 助教 (90582776)
鳥屋 剛毅 秋田大学, 国際資源学研究科, 准教授 (50753240)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 超スマート社会 / 情報化施工 / 情報k防災技術 / 自動評価システム / ハイパースペクトル / HSデータベース |
研究実績の概要 |
以下の項目1および項目2を部分的に実施した。 項目1:HS波長領域/分割での岩石・土質物性スペクトル特性同定とデータベース構築 HSカメラによる対象物の撮影により、HS波長領域/分割の画像情報によって岩種・風化度・湿潤度といった岩盤および土質の工学的特性に影響を与える要素(スペクトル特性)を定量的に評価できるかを明らかにした。結果、それぞれに特徴が際立つ波長を明らかにした。また、撮影手法の確立(標準化)とその手法に基づいたHSデータベースを構築し後の深層学習に役立てる準備をした。データベース構築のためには、特定岩石だけではなく様々な岩石を秋田大学鉱業博物館から選定し、2000サンプル以上のデータ取得した。当該データはWebベースのデータベースとしてシステム構築している。 項目2:機械学習による各要素の自動判定技術の開発 岩種・風化度・湿潤度の各パラメータを個別に自動判定できる機械学習個別エンジンを開発した。教師あり機械学習ではディープラーニング技術(深層学習)を技術を適用した。さらにディープラーニングエンジンの開発においてレイヤ数調整および目的関数調整を行い、それぞれの判定したい項目に特化した高精度なエンジン開発を目指している。各パラメータにおいて、使用岩種の違いはあれど、80%以上の正答率を得るに至っている。今後は対象岩石が変化した場合の風化度・湿潤度においても同程度の判定率を保障できるようにシステムの改良を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画である課題はすべて実施した。 また、研究が順調に進んだ場合に予定していた項目にも着手する事ができた。
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今後の研究の推進方策 |
以下の3項目に関して研究を実施する 項目1:HS波長領域/分割での岩石・土質物性スペクトル特性同定とデータベース構築1年目で対象に対するHSスペクトルの基本特性を明らかにしたため、撮影手法の確立(標準化)とその手法に基づいたHSデータベースを構築する。データベース構築のために、すでに2000サンプルのデータを取得しているため、残りの3000データ取得を目指す。 項目2:機械学習による各要素の自動判定技術の開発 教師なし機械学習でクラスタリング技術を適用する。また、ディープラーニングとクラスタリングのフュージョン技術であるディープクラスタリングもその適用性を検証する。その後、一括で全パラメータを自動判定できる機械学習(教師あり、教師なし)エンジン開発のためのアルゴリズムを開発する(統合型エンジンの開発)。 項目3:深層学習による判定根拠の妥当性検証と次元削減 項目1でのデータベース構築後に、判定エンジンの学習中間層の可視化(CAM)および近傍成分分析(NCA)によって判定根拠の妥当性を検証する。AIが岩種・風化度・湿潤度を判定する際に、どのスペクトル変化に判定根拠を持っているかを逆解析することによって、これまでの本分野における岩種・風化度・湿潤度の変化を記述する物理モデルとは別の観点の新たな物理モデルを導き出す。また、当該技術により特徴量を残せる範囲でのHSの次元削減を行い、分割バンド数を減らした簡便なスペクトルカメラの設計とそれを用いた判定精度の検証を行う。
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