研究課題/領域番号 |
22H01604
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
花崎 直太 国立研究開発法人国立環境研究所, 気候変動適応センター, 室長 (50442710)
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研究分担者 |
石濱 史子 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 主任研究員 (80414358)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 海水淡水化プラント |
研究実績の概要 |
海水淡水化は、水不足に悩む沿岸部の地域において重要な淡水源である。海水淡水化施設の分布を推定することは、空間的に詳細な水資源評価を行うことにつながる。今年度は生態学で広く用いられている種分布モデル(SDM)を用いて、海水淡水化プラントのグローバルな空間分布の予測可能性について検討した。一般化線形モデルと一般化加法モデルの2つの回帰SDMと、ランダムフォレストモデルと一般化ブースト回帰モデルの2つの機械学習SDMを、0.5°の空間解像度でクロスバリデーション法を用いて学習・実行した。それぞれのSDMについて、気候学的乾燥度、海岸線までの距離、一人当たりの国内総生産、生活・工業用水年間取水量の4つの説明変数を検討した。その結果、機械学習SDMには、海水淡水化プラントの位置を捉える高い性能があることが明らかになった。また、異なる共有社会経済経路(SSP)と代表的濃度経路(RCP)の下で海水淡水化プラントの将来の分布を予測した。その結果、海水淡水化プラントのある格子点数は、2014年と比較して、2030年、2050年、2070年、2090年にそれぞれ31%、47%、55%、57%増加することが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題は生態学分野で広く用いられている種分布モデル(SDM)を用いて水利施設のグローバルスケールの空間分布の特徴を明らかにし、将来予測に結びつけようとするものである。2022年度はSDMを海水淡水化プラントに世界で初めて適用し、実際の分布が再現できることを示せた。研究に必要な一連のプログラム群も開発することができ、2023年度以降の他の水利施設への適用にも道筋をつけることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は比較的順調に研究を進めることができたことから、2023年度も計画通りに行う。前年度に研究機関に導入されたGPUを持つサーバを利用することで計算時間の短縮を図る。
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