研究課題/領域番号 |
22H01613
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宇野 伸宏 京都大学, 工学研究科, 教授 (80232883)
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研究分担者 |
中村 俊之 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任准教授 (10419062)
塩見 康博 立命館大学, 理工学部, 教授 (40422993)
木村 優介 京都大学, 工学研究科, 助教 (20713556)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自動運転 / 交通流分析 / 車両挙動モデル / Take Over Request / 模擬走行実験 / 利用者の認識・期待 |
研究実績の概要 |
手動運転への権限移譲及び道路交通参加者の自動運転利用意向を考慮しつつ,自動運転の交通円滑性,安全性へのポテンシャルの評価を目指し,次のテーマに取り組む.1)自動運転の普及可能性の考察のため,webアンケート調査により,自動運転に対する一般利用者の期待・認識及び利用意向に関するデータを収集し,統計的分析を行う.2)TOR(Take Over Request)が,運転挙動や交通流におよぼす影響を把握するため,その基礎としてDS (Driving Simulator) 利用の模擬走行実験による運転者行動分析を行う.3)連続走行軌跡データを活用した車両挙動の分析・モデル化,及び,自動運転ポテンシャル評価のためのミクロ交通シミュレーションの開発を行う. 研究初年度は以下の3つのサブテーマに取り組んできた. 1-a)自動運転システムに対する期待と課題に関するアンケート調査の検討:一般の道路ユーザーを対象として,自動運転(特にレベル3)への認識,期待について把握し,現状享受可能なサービス水準と利用者の認識・期待との差異について分析するため,webアンケート調査の項目,設問について検討した. 2-a)TORの発生を想定したDS走行実験の設計:TOR発生時の対応行動に影響を及ぼすと想定される要因(TORの種類・発生タイミング,セカンドタスクの有無・種類等)を抽出し,実験計画法に基づき模擬運転実験の条件・シナリオを設定した. 3-a) 連続走行軌跡データを用いたサグ部の走行挙動分析:連続走行軌跡データ(Zen Traffic Data)を用いて,サグ部の速度低下や加減速度変化の発生と個車追従挙動モデルの多様性について分析を行った.追従挙動に関しては,相対速度項と車頭距離項を説明変数に持つ線形モデルであるHellyモデルを適用しつつ,渋滞を助長/渋滞を抑止する傾向のある追従特性について考察した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
手動運転への権限移譲及び道路交通参加者の自動運転利用意向を考慮しつつ,自動運転の交通円滑性,安全性へのポテンシャルの評価を目指し,3つのテーマを設定し,研究を進めてきている.「研究実績の概要」に記載の通り,概ね当初計画で想定した通りに,研究は進捗しているため,(2)おおむね順調に進捗していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
3つのテーマのうち,1)自動運転システムに対する期待と課題に関するアンケート調査については,調査の設計,webシステムの作り込みに一定の時間を要するため,できる限り早急に,調査項目及び設問の確定を急ぐことで,確実にデータの収集,分析を本年度実施できるように工夫する.
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