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2022 年度 実績報告書

ケモインフォマティクスによる溶存有機物の変換生成物同定と分子構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 22H01623
配分区分補助金
研究機関東京工業大学

研究代表者

藤井 学  東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (30598503)

研究分担者 權 垠相  東北大学, 理学研究科, 准教授 (10360538)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード超高分解能質量分析 / 溶存有機物 / 変換生成物
研究実績の概要

研究初年度では、超高分解能質量分析の解析におけるアルゴリズムの高度化や野外調査による水試料の採取に焦点を当てて研究に取り組んだ。具体的には、質量データから分子組成を決定するプロセスにおいて、質量データのキャリブレーションや同位体ピークを考慮することによる分子組成同定精度の検証に取り組んだ。さらに、試料中に潜在的に存在する質量差(光分解反応などの過去の反応により生じた質量差を示し、以降PMDと呼ぶ)に着目したPMDネットワーク解析に着手した。PMDネットワーク解析では、ノードを分子組成式、エッジをPMDとし、特定の反応により生じる反応物と生成物間の質量差(例えば、光化学反応による水酸化や脱アルキル化など)を算出するが、そのプログラムコードの開発に着手した。開発されたコードを用いて、今後は試料中に内在する反応に着目して溶存有機物変換生成物の検出が可能か検討を行う。また、解析対象試料の採取のため野外調査を関東近郊の河川において実施した。排水などの人為的な影響の程度を考慮して、上流から下流までの複数地点において野外調査を実施した。採取した水試料は、メンブレンフィルターによるろ過後、固相抽出法により有機物の精製と抽出を行った。また、基本水質情報として、pHや溶存酸素濃度、電気伝導度、全有機炭素などの複数の水質項目の測定を行った。抽出された有機物質は50%メタノール保管し、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計(FT-ICR MS)による測定を実施した。得られた質量データについては、今後上述の解析アルゴリズムにより解析を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度の研究計画である、野外調査による水試料の採取、ならびに超高高分解能質量分析による溶存有機物解析アルゴリズムの高度化を実施しており、おおむね順調に進展していると判断する。

今後の研究の推進方策

上述の通り、野外調査により採取した有機物試料についてフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計による測定を実施したので、今後は、得られた質量データのキャリブレーション、分子組成の決定、さらにはPMDネットワーク解析プログラムコード開発などに着手する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ESTIMATING FORMATION MECHANISM OF DISINFECTION BY-PRODUCTS AND MOLECULAR COMPOSITIONS OF THEIR PRECURSOR NOM USING ULTRA-HIGH RESOLUTION MASS SPECTROMETRY2022

    • 著者名/発表者名
      WATANABE Akari、DWINANDHA Dhimas、FU Qing Long、FUJII Manabu
    • 雑誌名

      Journal of Japan Society of Civil Engineers, Ser. G (Environmental Research)

      巻: 78 ページ: III_185~III_194

    • DOI

      10.2208/jscejer.78.7_III_185

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 超高分解能質量分析を用いた消毒副生成物の形成機構と前駆体NOM分子組成の推定2022

    • 著者名/発表者名
      渡辺 あかり, Dhimas DWINANDHA , Qing Long FU , 藤井 学
    • 学会等名
      第59回環境工学研究フォーラム

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公開日: 2023-12-25  

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