研究課題
①地図情報からBES用の形状データ自動作成手法:1.人工衛星写真と地図情報を組み合わせて建物の屋上に設置されている構造物の判別を行い,残りの場所に設置したPVによる発電量と建物のエネルギー消費量の比較を行った.2.住宅の屋根形状の自動判別を行うための教師データを作成した.また,そのデータを用いて屋根形状と建物形状の分析を行った.3.建物のエネルギー消費量に大きな影響を与える,窓と壁の判別を行った.札幌市のオフィスビルを対象に建物の立面写真を撮影し,それぞれの壁面において窓,窓枠,壁の判別が可能か,それぞれの面積がどの程度か,また,窓面積率が建物種別や方位,面している道の種類によってどのような影響をうけているかについて検討した.②樹木の抽出手法:前年度で終了③日射データの高精度化:2023年度はロボットアームを用いた天空輝度分布と天空写真の撮影にトライしたがまだうまくいっていない.④BES:②のデータを用いてEnergy-plus用の建物モデルの自動生成手法を作成した.また,そのモデルを用いて札幌市内のオフィスビルの室内環境シミュレーション(1万件)を実施した.⑤ZEBの実測:普及型のZEBの室内環境の実測を行った.また,北海道オープンデータポータル,札幌市の市有建物のエネルギー消費量と建物形状の関係に関する分析を行った.⑥ZEHの実測:札幌市の木造アパートの改修に関して,室内環境の計測,シミュレーション,アンケート調査を行った.また,二件のアパートの断熱改修の工事が行われた.⑦ZEB,ZEHの地域経済循環効果の検討:ひきつづき,木造高断熱住宅の実測と燃料消費量(薪)の実測を行った.⑧デジタルツインとVRによるZEB,ZEHの4DXシミュレーターの作成:VR空間内にバイオフィリックデザインを生成し,被験者がどのように認識するかに関してアンケート調査を行った.
2: おおむね順調に進展している
①地図情報からBES用の形状データ自動作成手法(当初の計画以上):建物のエネルギー消費量や再エネの賦存量に大きな影響を与える屋根や屋上工作物の判定,窓判定に挑戦することができた.②樹木の抽出手法(2022年度で終了).③日射データの高精度化(やや遅れている):他の研究項目に集中したため,データの計測が行えなかった.2024年度に実施する予定.④BES(当初の計画以上):札幌市のすべてのオフィスビルを対象とした計算(Energy-plusによる非定常室内環境,エネルギーシミュレーション)を行うことができた.⑤ZEBの実測(おおむね達成):札幌市の普及型のZEBの実測継続とオープンデータの整理を行った.⑥ZEHの実測(おおむね達成):アパートの建設が遅れたため計測はできなかったが,基本性能の取得はできた.また,シミュレーションを行うことができた.⑦ZEB,ZEHの地域経済循環効果の検討(おおむね達成):木造高断熱住宅(暖房・給湯に薪を用いている)の実測と燃料消費量の実測を継続した.⑧デジタルツインとVRによるZEB,ZEHの4DXシミュレーターの作成(おおむね達成):VR空間でバイオフィリックデザインの評価を行った.
①地図情報からBES用の形状データ自動作成手法:機械学習によって航空写真から建物要素のセグメンテーションができるかどうか検討する.②樹木の抽出手法:ひきつづきNDVI等を用いた自動化手法について検討する.③日射データの高精度化:ロボットアームを用いた計測システムについて検討する.④BES:非住宅に関してはオープンデータと札幌市の市有建物を対象にEnergy-plusによるシミュレーションを行い,結果の整合性を確認と建物にZEB要素を加えた時のエネルギー消費量,ピーク負荷に関する感度解析を行う.また,住宅についても札幌市内の1万件程度を対象に室内環境,エネルギー消費量のシミュレーションを行う.⑤ZEBの実測:ZEB相当(ZEB-Ready)の建物の実測を行い,シミュレーション用のベンチマークデータとする.⑥ZEHの実測:ZEH相当となる,札幌市内の木造アパートの室内環境,エネギー消費量について実測を行う.また,札幌市と協力し,札幌版次世代住宅の情報収集を行う.⑦ZEB,ZEHの地域経済循環効果の検討:木造高断熱住宅,木造公民館を対象に経済波及効果の検討を行う.⑧デジタルツインとVRによるZEB,ZEHの4DXシミュレーターの作成:バイオフィリックデザインの評価を行う.
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