研究課題/領域番号 |
22H01667
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
西村 幸夫 國學院大學, 観光まちづくり学部, 教授 (20159081)
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研究分担者 |
下村 彰男 國學院大學, 観光まちづくり学部, 教授 (20187488)
石山 千代 國學院大學, 観光まちづくり学部, 准教授 (30847984)
藤岡 麻理子 國學院大學, 観光まちづくり学部, 准教授 (40724539)
浅野 聡 三重大学, 工学研究科, 教授 (70231892)
稲葉 あや香 國學院大學, 観光まちづくり学部, 助手 (00963331)
劉 銘 國學院大學, 観光まちづくり学部, 助手 (50963766)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 歴史文化遺産 / 保存・活用 / イコモス / 遺産影響評価 / 世界文化遺産 |
研究実績の概要 |
本研究は、歴史文化遺産をめぐる保全概念の発展と「遺産影響評価Heritage Impact Assessment」に関する課題、および我が国における歴史文化遺産に包含される対象と保存・活用の方法の広がりを背景とし、歴史文化遺産とその周辺環境への多様な影響を事前に特定・評価し、負の影響の緩和へ結びつけていく仕組みとして、拡張型の「遺産影響評価」の方法と実装の理論構築を目指すものである。そのため、①わが国の歴史文化遺産とその周辺環境の保存・活用の現場で生じうる「影響」を多面的・包括的に把握すること、②国内外での「遺産影響評価」の導入・運用の実態と課題を明らかにすること、③わが国の現行制度を踏まえた「拡張型遺産影響評価」の方法と実装へ向けた検討を行うこと、④「拡張型遺産影響評価」の計画制度への実装のための実践的な検討を行うこと、を目的としている。 2022年度は、①に関し、関連する行政計画の調査等を進め、わが国における歴史文化遺産とその周辺環境への負の影響とその要因 、緩和へ向けた方策の全体像の把握に努めた。また、鳥羽市など研究メンバー各々が関わる地域での活動を通し、実践的な把握も行った。②に関しては、特に「影響」の特定方法と評価方法、負の影響の緩和方策とそれを支える調査分析技術、および保存管理計画との連携に着目した比較分析を行うため、これまでに「遺産影響評価」を実施したわが国と諸外国の世界文化遺産について、関連資料の収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・わが国における歴史文化遺産とその周辺環境へのさまざまな影響の把握に関し、アンケート調査の実施等、当初の計画通りに進まなかった部分もあるが、保全にかかる各種計画等の資料収集を概ね順調に進めている。 ・「遺産影響評価」の報告書の収集は、特に国内に関しては概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、初年度に収集した資料・情報等を活かし、現地調査とさらなる資料収集を通じ、以下の点を進めていく。 ・歴史文化遺産とその周辺環境に負の影響をもたらす多様な要因の把握と各要因に対応するための必要な視点とツールの検討 ・世界遺産条約の文脈で行われてきた遺産影響評価における実践的技術の実態把握 ・我が国における実装を見据えた、既存の環境影響評価制度と遺産影響評価の考えうる関係性の検討
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