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2022 年度 実績報告書

インタラクティブシミュレーションによる海事産業の脱炭素技術戦略と制度設計の支援

研究課題

研究課題/領域番号 22H01693
配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

稗方 和夫  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (80396770)

研究分担者 西野 成昭  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90401299)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード海上物流 / カーボンニュートラル / マルチエージェント / 意思決定 / シミュレーション
研究実績の概要

本研究では、独立の意思決定主体によって構成されるシステムの挙動をシミュレーションにより再現し、そのシステムを望ましい姿にするための介入方法を検討する方法論の構築を目的とする。また、構築した方法論を、海上物流の脱炭素という複雑な利害関係を備える重要な社会課題の事例において評価する。この研究を進めるにあたり、独立した意思決定主体による意思決定の組み合わせとしてのシステムの挙動の再現が必要となる。例えば、海運会社の船舶購入の意思決定の基準を、船価、将来の輸送需要、保有船舶の船齢など、数値基準を含むルールベースのような形での定義を試みる。本研究では、インタラクティブに人間が操作するシミュレーションシステムをまず構築し、海事産業従事者による被験者実験の結果から船舶購入に関するルールを学習するというアプローチを採用する。学習した意思決定モデルをマルチエージェントに組み込むことで海上物流システム全体の挙動の再現を行う。
本年度は、文献およびこれまでの研究活動で関わりのある実務者からの情報により海事産業の利害関係に関する調査を進めた。また、本課題以前から取り組んでいた海上物流のシミュレーションモデルを発展させ、海運会社の経済性や二酸化炭素排出量などの指標を算出できるように整備した。また、開発したシミュレーションモデルを用いて国際会議TE2023にてハンズオンワークショップを行い、基本的な機能の確認等を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

シミュレーションモデルの開発に関して、多くの関連研究のレビューに基づいて主要なステークホルダーである荷主や海運会社の意思決定プロセスをマルチエージェントに組み込む方針を決定した。研究テーマ全体を進めるうえで不確実性を含む部分であった意思決定プロセスのモデル化の方針が明確になったことで、インタラクティブシミュレーションを用いたハンズオンワークショップから得たい情報を明確にすることができ、今後も順調に研究を進められることが期待できる。

今後の研究の推進方策

本研究テーマは、学術面ではシミュレーションモデルの開発や利害関係者を超えた合意形成に関する新しい知見を発見することを目指している。一方で、学術面だけではなく、国際海運のカーボンニュートラル化を進めるという社会的要請に応えることにも取り組んでいる。提案時には国内の海運会社との人的ネットワークからの情報に基づいて研究を進めることを予定していたが、初年度の研究活動の結果を踏まえ、本年度以降は海外に拠点を置く海運会社との情報交換を積極的に行うことで、より国際海運のカーボンニュートラルに貢献する研究成果を生み出すことを目指す。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] マルチエージェントシミュレータによる自動運航船の航行ルール検討2023

    • 著者名/発表者名
      中島拓也,頼凛太朗,木見田康治,村山英晶,西野成昭
    • 学会等名
      自律分散システム・シンポジウム
  • [学会発表] International Regulation Design for Reduction of GHG Emission in Maritime Shipping by Agent-Based Simulation2022

    • 著者名/発表者名
      Nonomura, K., Hiekata, K., Yoshida, J.
    • 学会等名
      29th ISTE International Conference on Transdisciplinary Engineering, TE 2022; Massachusetts Institute of TechnologyCambridge; United States; 5 July 2022 through 8 July 2022; Code 184026
    • 国際学会
  • [学会発表] 国際海運の脱炭素に向けた政策決定支援シミュレーション2022

    • 著者名/発表者名
      稗方 和夫, 野々村 一歩, 吉田 隼基
    • 学会等名
      令和4年日本船舶海洋工学会春季講演会
  • [学会発表] マルチエージェントシミュレーションによる国際海運における脱炭素に向けた制度の評価に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      稗方 和夫, 野々村 一歩
    • 学会等名
      令和4年日本船舶海洋工学会秋季講演会
  • [学会発表] メカニズムデザインを応用した船舶自動運航のためのシミュレーションフレームワークの提案2022

    • 著者名/発表者名
      頼凜太朗, 中島拓也, 木見田康治, 村山英晶, 西野成昭
    • 学会等名
      2022年日本経営工学会春季大会予稿集

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公開日: 2023-12-25  

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